若林楽人を西武から獲得 3番で躍動 巨人プロスカウトの眼力 「岡本長期離脱」で次なる仕掛けはあるのか
2025年5月10日(土)6時30分 ココカラネクスト

若林の活躍にファンも「救世主になってくれそう」と期待している(C)産経新聞社
予想を大きく上回る活躍ぶりと言ってよいでしょう。
5月7日の阪神戦(東京ドーム)で巨人の3番打者に抜擢された若林楽人です。3番を務めるのはプロ5年目で初めて。すると、初回一死二塁のチャンスで、阪神の先発左腕・門別啓人のフォークをフルスイング。虎党で埋まった左翼スタンドへ先制の2号2ランをたたき込みました。
【動画】任せて良かった!プロ初の3番で圧巻アーチを放った若林の打撃シーン
チームは主砲の岡本和真が長期離脱となり、暗雲が垂れ込めていましたが、これを払拭する豪快な一発。巨人は6−4で勝利し、あらためて若林の存在感がクローズアップされました。
若林は北海道白老町の出身。駒大苫小牧では甲子園出場こそありませんでしたが、駒大進学後に才能が開花。2年からレギュラーに定着し、4年秋のリーグ戦では打率.310、4本塁打の好成績でベストナインに選出。その秋のドラフト会議で西武の4位指名を受け、プロ入りしました。
スポーツ紙のデスクは言います。
「西武でも足とパンチ力を期待されていたんですが、度重なるケガに泣き、レギュラー定着とはなりませんでした。そしてプロ4年目となった昨年6月に転機が訪れます。巨人・松原聖弥との交換トレードが成立したんです」
昨季は9月初めに自然気胸と診断され、戦列を離れるなど本領発揮はなりませんでしたが、今年は水を得た魚のように大暴れ。3月28日、ヤクルトとの開幕戦(東京ドーム)に「1番・左翼」でスタメン出場を果たすと、延長10回にサヨナラ打を放つなど、4安打をマーク。その後は主に2番として上位打線を牽引し、チームになくてはならない戦力になっています。
前述のデスクは、「松原は再調整のため7日に2軍降格になりました。現在の西武なら外野の一角でレギュラーを奪えるチャンスは十分あるはずなので、最短で1軍へ帰ってくることを願うばかりです」と話した上で、こう続けるのです。
「若林獲得は巨人のプロスカウトのお手柄です。逆に言えば、12球団のファームでくすぶっている選手の中にも、環境を変えれば1軍でバリバリ活躍できる男は大勢います。チャンスに恵まれない彼らの実力を見定め、トレードをどう仕掛けられるかがプロスカウトの腕の見せ所。岡本を欠いた今、巨人がさらなる戦力補強を目指すのかも、今後の大きなポイントと言えそうです」
少ないチャンスをしっかりとモノにできるかどうか。若林の成功はファームの選手たちにとっても、大きな刺激となることでしょう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]