ブルペン9番手からの逆襲 切り替え力も高いオリックス・川瀬の奮闘は続く

2025年5月14日(水)12時0分 スポーツニッポン

 ブルペンの9番手で開幕を迎えた男が、序列を覆そうとアピールを続けている。オリックス・川瀬堅斗投手(22)のことだ。昨季7月末に高卒4年目で支配下昇格をつかんだ男は、今春のオープン戦期間の大半を2軍で過ごした。だが、同戦最終カードの阪神3連戦で1軍合流すると、21日の同戦で2回2安打1失点。そこから本人も「想像していなかった」開幕1軍に滑り込むと、既に昨季の8登板を超える12試合に登板するなど奮闘を続けている。

 「いい意味で相手を上から見ているというか、“打ってみろ”ぐらいの気持ちでいった方が自然と腕も振れますし。相手をなめているわけではないですけど、いい気持ちで投げられている」

 オープン戦はわずか1登板ながら、登板10試合連続で無失点など結果を残し続け、僅差での登板も増加傾向に。ここまで一度も2軍落ちせず奮闘を続ける右腕だが、厚沢投手コーチは「信頼を上げてきているのはもちろんだけど、今も9番目のポジションなのは変わりない」と話す。「あいつがいるなら大丈夫だという安心感が、1軍では求められているので。投げれば投げるほど力を付けてきているから、いけるところまでいってほしい」。さらなる奮起への期待を表す言葉だと、記者は受け止めた。

 今月9日のソフトバンク戦では1点劣勢の6回無死満塁で救援も、4安打5失点。登板11試合ぶりの失点を記録した試合後、さぞかし落ち込んでいるのでは…と思い込んでいた記者の心配は杞憂だった。「無死満塁でどうやったら抑えられたんですかね?開き直って投げられてはいたんやけど…」。反省点をひとしきり話した後、車に乗り込んだ若武者は気丈に話した。

 「切り替えですよ。きょうは熱唱しながら帰ります!きょうで(防御率)4点台まで落ちたかもですけど、ここから全試合抑えるくらいの気持ちでいきますよ!」

 打たれた翌日も出番に備えなければいけない中継ぎ投手において、切り替えられるメンタルは必要不可欠。1軍完走へ、次回登板で雪辱を果たせるかに注目している。

(記者コラム・阪井 日向)

スポーツニッポン

「ブルペン」をもっと詳しく

「ブルペン」のニュース

「ブルペン」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ