歴史的記録を逃した69歳・倉本昌弘の引き際 レギュラーは残り1試合「若者に1枠渡したい」
2025年5月16日(金)19時8分 ALBA Net
倉本昌弘は最年長予選通過記録更新とはいかなかった…(撮影:佐々木啓)
<関西オープン 2日目◇16日◇日野ゴルフ倶楽部(滋賀県)◇7035ヤード・パー70>
倉本昌弘の記録への挑戦は2日間で終わった。69歳249日となったこの日、杉原輝雄が持つ68歳311日での最年長予選通過記録と尾崎将司が2度達成しているレギュラーツアーでのエージシュート(年齢以下のスコアで回る)達成の期待がかかったが、初日の「72」に続いて、この日も「72」。トータル4オーバー・108位タイの予選落ちとなった。
2年前に大阪府の泉ヶ丘CC(7051ヤード・パー71)で行われた今大会では、初日「71」、2日目に「69」で回り、トータル2アンダー・39位タイで決勝ラウンドに進出。当時67歳217日は、尾崎将司の66歳92日を抜いて歴代2位の年長予選通過記録を作った。
今大会の開幕前から倉本自身も記録は意識していた。レジェンドらしい、技でしのぐ場面も多々あったが、初日の12番パー3で3パットのダブルボギーを喫するなど、予選通過に迫るゴルフはできなかった。
「なかなかパー70だと難しいですよね。エージシュートには近いですけど、パー5がないぶん、なかなかとれないので…」。今大会は本来2つのパー5を500ヤード越えのパー4に設定している。
加えて打ち上げのホールも多さも難度を上げた。「430ヤードの表示でも実測は450ぐらいあって、球が止まりにくいので非常につらいです。そんな中で弱音を吐かずに頑張ってやっていたんですけど、残念でした」。予選2日間の全選手の平均飛距離は294.61ヤードだったが、倉本の平均飛距離は255.12ヤード。飛距離のハンディを技術だけではカバーしきれなかった。
「パー72のところでやりたいと思うけど、もうチャンスはないので…。今年は最後ですし、来年の関西オープンは、関西ゴルフ連盟が100周年で(第1回大会と同じ)茨木(CC)なので、私のレギュラーツアー最後にしようと思っています。もう1回(記録更新の)チャンスあります」。あらためて来年の関西オープンがレギュラーツアーラストマッチと明言した。
永久シードを保持するため、出場意思があれば出られる大会も多い。「いまの僕のゴルフでは、予選通過も時間が経てばたつほど難しくなる。その中で若者の1スポットを取るわけにはいかないので、どっかで自分がけじめをつけて、若者に1スポット渡していきたいと思っています」と自身の引き際について話し、シニアに専念する。
残り1試合だが、倉本が歴史に名前を残すチャンスは来年に持ち越された。「1つ年を増えれば増えるほど(記録は)難しくなる。だから杉原さん以降いないし、エージシュートもジャンボ(尾崎)さんしかいないっていうこと。もっと実力者はいっぱいいたけどなかなかそうならないのは、それが記録なんですよ」
杉原の記録は2006年に達成して以降、破られていない。エージシュートもジャンボのみ。難しい記録であることは十分に承知している。いまだにキックボクシングなどトレーニングに余念のない倉本が2人の先輩の大きな背中を追いかける。
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