地味な男が地味につかんだ「200セーブ&200ホールド」の快挙、オリックス・平野佳寿は特例での名球会入り当確?!

2023年5月16日(火)16時48分 ココカラネクスト

MLBでもプレーした平野。「200セーブ&200ホールド」という偉大な記録を達成した(C)Getty Images

 らしく、地味に金字塔に達した。オリックス・平野佳寿が5月14日のソフトバンク戦で同点の9回に5番手で登板。1死から四球を与えたが、無安打無失点で後続につないだ。

 試合はそのまま両軍決め手を欠き、3−3の引き分け。平野には今季2ホールド目が記録され、これで日米通算200ホールドに到達。すでに日米通算228セーブを挙げており、史上初となる日米通算「200セーブ&200ホールド」という偉業を成し遂げた。

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 「打たれた後にも頑張って前を向けたことがつながった」と振り返った右腕。マリナーズ時代の2020年には初の自著「地味を笑うな」を上梓した。地味を恥じるな!地味を誇れ!と地味という哲学を披露したこともあったが、文字通り地味に前人未到の大記録を手にした。

 ホールドは形を変えながら、2005年からセ・パ両リーグで公式記録に採用された。歴代最多ホールドは、日本ハム・宮西尚生の387ホールドで現役である現在も更新中だ。NPBで200ホールド以上は他に山口鉄也(273)、浅尾拓也(200)の2人しかいない。平野はNPBで152、MLBで48ホールドをマークして、日米通算200に到達した。

 抑え投手として試合を締めればセーブが、セットアッパーなど救援投手として試合をつなげばホールドが記録される。2つが同時に記録されることはない。そこが200セーブ&200ホールドという数字の難しさである。

 近いサンプルとなる藤川球児は日米通算245セーブ&164ホールド。ホールドが及ばない。そもそもMLBでの実働がほとんどなく、2セーブ&1ホールドしか記録していない。

 また上原浩治は日米通算で134勝、128セーブ、104ホールド。日米通算100勝&100セーブ&100ホールドは、上原しか達成していない快挙だ。そしてこの2人は昨オフ、そろって特例事項が適用されて名球会入りを果たした。投手の基準は日米通算で200勝以上、もしくは250セーブ以上なのだが、初の特例適用が認められた。

 平野は現在日米通算228セーブで、基準の250セーブにあと22セーブと迫っている。今季も守護神として起用され、すでに7セーブ。今後も数字を伸ばすことが期待され、単純に250セーブに達しての名球会入りも十分に狙える。それでも今回残した200ホールド&200セーブという数字のインパクトは、仮に250セーブを逃すことがあったとしても、十分特例適用が検討されるべき重さがあるだろう。

 オリックスはリーグ3連覇へ向けて順調に首位をいき、今後もセーブシチュエーションでの起用が増えることが期待される。特例など言わず自力での巨大なマイルストーン樹立へ、衰え知らずの39歳が、最後は地味にではなく、派手に決めてもらいたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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