【二所ノ関親方 真眼】伯桜鵬 いい稽古で磨いた出足の圧力
2025年5月17日(土)4時59分 スポーツニッポン
◇大相撲夏場所6日目(2025年5月16日 両国国技館)
今場所の伯桜鵬は左四つの形が良いですね。何をしてくるか分からない宇良戦。相手の出足を止めたことで落ち着いて対処できました。左四つの形がいいから、相手の揺さぶりも何とか残して反撃もできました。一時は存在が薄くなりかけていましたが、ようやく彼らしい相撲が戻ってきました。
技巧派ゆえに、以前はそれが災いとなって良さを発揮できないこともありました。だが、先場所くらいから出足の圧力が出てきて相撲内容も良くなりました。大勢の関取がいる伊勢ケ浜部屋の恵まれた環境で、いい稽古を積んでいることがうかがえます。
いろんなことをやりたい気持ちは分かりますが、圧力をもっと強化し、シンプルな攻めを徹底すれば、上位戦でも十分期待が持てるでしょう。相手からしてみれば、小手先だけの攻撃は対処が楽です。根こそぎ芯から持っていく迫力十分の攻めを備えれば、上位には相当な脅威になるでしょう。(元横綱・稀勢の里)