奈良開催は32年ぶり。“王者”新井大輝が全日本ラリー第3戦飛鳥で独走、今季初優勝を飾る
2025年5月20日(火)11時49分 AUTOSPORT web

5月16日から18日にかけて奈良県天理市を拠点に全日本ラリー選手権第3戦『YUHO Rally 飛鳥 supported by トヨタユナイテッド奈良』が行われ、新井大輝/立久井大輝組(YAHAGI シュコダ ファビア R5)が圧勝。2025年シーズン初優勝を飾った。
前年まで京都府で実施されてきたラリー丹後から開催エリアが変更され、この5月に初開催を迎えた、ターマック(舗装路)イベントのラリー飛鳥。奈良県で全日本ラリー選手権のラウンドが実施されるのは、実に32年ぶりだ。
そんな新規イベントは16日に天理市役所で行われたセレモニアルスタートに続き、翌17日から競技がスタート。初日のレグ1は全10本のスペシャルステージ(SS)のうち、前半のSS1からSS6で争われた。
開幕戦三河湾と第2戦唐津でマシントラブルに見舞われ、ここまで満足のリザルトを残せていない新井は、その鬱憤を晴らすかのごとく快走を見せた。あいにくの雨模様のなか、現チャンピオンはSS1で幸先よくステージウインを飾ると午前のループに設定されたSS2、SS3でもベストタイム刻み、同じく3本連続でセカンドベストを記録して総合2番手につけたヘイキ・コバライネン(AICELLO速心DLヤリスRally2)に対し27.5秒のギャップを作り出す。
その後も新井の勢いは止まらず、午後の再走ステージに設定されたSS4〜6のいずれもトップタイムをマーク。初日だけで後続を39.2秒引き離し、コバライネンに次ぐ総合3番手となった勝田範彦(GR YARIS Rally2)とのギャップにいたっては1分9秒にもなっている。
最終日のレグ2は、雨があがったものの路面の大部分がウエットの状態で争われた。レグ1で大量リードを築いた新井は、無事に走り切ることに焦点を当てペースをマネジメントしながらの走行に。そのなかでもSS9でふたたびステージウインを飾り、最終的に34.5秒の大差で優勝。次回の地元凱旋ラリーを前に反撃の狼煙を上げた。
総合2位は前後との間が開いた状態での走行となったコバライネンだ。スーパーSSのSS8とSS10でステージベストを刻んだフィンランド人ドライバーに次ぐ総合3位には勝田が入った。開幕2連勝をマークして第3戦に乗り込んだ勝田は、前日のSS5で奴田原文雄(ADVANKTMSGRヤリスRally2)を逆転したあと、レグ2のオープニングとなったSS7でのステージウインでライバルを突き放し、ポディウムフィニッシュに向けて有利なポジションに立っていた。
奴田原は勝田から23.8秒おくれての4位フィニッシュとなり、鎌田卓麻(Castrol TEIN DL ファビア)がトップ5フィニッシュを締めくくった。JN-2からJN-5、およびJN-Xクラスのウイナーは次のとおりだ。
■2025年全日本ラリー選手権第3戦YUHO Rally 飛鳥 supported by トヨタユナイテッド奈良 順位結果
Pos. | Driver/Co-Driver | Car | Time |
---|---|---|---|
総合1位 | 新井大輝/立久井大輝 | YAHAGI シュコダ ファビア R5 | 50’13.4 |
総合2位 | ヘイキ・コバライネン/北川紗衣 | AICELL速心DLヤリスRally2 | 50’47.9 |
総合3位 | 勝田範彦/保井隆宏 | GR YARIS Rally2 | 51’20.1 |
JN-2優勝 | 山田啓介/藤井俊樹 | FTIEASYソミック石川DLGRヤリス | 55’18.7 |
JN-3優勝 | 山本悠太/立久井和子 | SammyK-oneルブロスYHGR86 | 57’48.3 |
JN-4優勝 | 藤原友貴/宮本大輝 | ロッソレーシング WM DL スイフト | 56’29.9 |
JN-5優勝 | 河本拓哉/有川大輔 | DLクスコWMタカタOTS・TWRデミオ | 58’25.2 |
JN-X優勝 | 天野智之/井上裕紀子 | TRT・DL・RAV4 PHEV | 1h01’53.9 |
全日本ラリーの次戦となる第4戦は『FIAインターナショナル・ラリー・加勢裕二杯モントレー2025』だ。2025年シーズン前半戦最後のターマックイベントとなる同ラリーは、6月6〜8日に群馬県安中市を拠点に開催される。