阪神・才木で、史上最速G戦10勝狙う「ゾーンで勝負できるように」クラシックシリーズ先陣
2025年5月20日(火)5時15分 スポーツニッポン
阪神・才木浩人投手(26)が快挙へ向けて、20日の巨人戦(甲子園)に先発する。19日は甲子園球場での投手練習に参加して最終調整。今季、巨人戦のチーム成績は目下7勝2敗と勝ち越している。「伝統の一戦〜THE CLASSIC SERIES〜」として開催される3連戦に全勝すると、球団史上初となるシーズン12回戦で10勝に到達。自身カード最多の通算10勝を誇るGキラー右腕が伝統の一戦で猛虎を勢いづける。
球団初の快挙へ向けて先陣を切るのは、この男しかいない。20日巨人戦の先発を託されたのは才木だ。カード別最多の10勝を誇るGキラーが宿敵撃破に闘志を燃やした。
「普通にいつも通り自分のやることをやるだけかな。しっかり(ストライク)ゾーンで勝負できるように、カウント有利な状態でゲームを進められるように試合の中でやっていけたらって感じです」
今季も相性の良さは健在だ。プロ初勝利の相手も巨人だ。18年5月27日の一戦で6回無失点の好投。球団の10代投手がプロ初勝利を巨人戦で先発として挙げたのは球団史上初だった。今季も初対戦となった6日の対戦で5回無失点に抑えて3勝目をマーク。巨人戦は24年7月30日から4連勝と勢いは止まらない。ソフトバンクとの交換トレードで加入したリチャードが新戦力として加わったが、従来通りベストを尽くすことに集中する。
「(今年)真っすぐは良いですね。感覚も良いし真っすぐが良いからこそカウントを有利に進められたら向こうも100%のスイングはしづらいのかなと思うので」
武器である力強い直球はさらにグレードアップした。昨季は148キロだった平均球速は今季150キロに到達。オフに行った投球フォームの変更やトレーニングなどの取り組みが数字にも表れている。好調の真っすぐのおかげで変化球の精度もアップ。「フォークも振ってくれやすいし、真っすぐが良い分(変化球に)対応しづらくなるっていうイメージですかね」。投手指名練習に参加したこの日も入念にキャッチボールを行うなどして最終調整した。
20日からの3連戦は「伝統の一戦〜THE CLASSIC SERIES〜」として開催される。3戦全勝となれば、早くも同カード10勝に到達。シーズン12回戦で2桁勝利となれば球団史上初の快挙達成となる。しかも5月中の10勝も球団史上最速。21日の2戦目は巨人戦通算27回2/3を投げてわずか2失点と同じくGキラーのビーズリーが先発予定。22日は目下2戦連続無失点中のデュプランティエが出番を待つ。
虎の自慢の先発トリオに託された伝統の一戦。首位固め&史上最速G倒へ——。まずは右腕が流れを呼び込む。(山手 あかり)
○…阪神は20日からの巨人3連戦に全勝すれば、22日にカード10勝目(2敗)到達。巨人にシーズン12回戦で10勝は62年の13回戦を上回り、5月22日も04年の6月20日を約1カ月更新する最速到達になる。なお15回戦までに10勝した7度のうち、1リーグ時代の47年、セ・リーグの62、03、23年の4度でリーグ優勝している。
▼伝統の一戦〜THE CLASSIC SERIES〜 16年から阪神・巨人両球団で相互展開するプロジェクト。互いの本拠地で対戦する際に共通ビジュアルや各種演出で盛り上げる。阪神は16〜18年に特定のカードで70年代の「輝流ライン(16、18年)」や48、49年の「黒虎(17年)」をリメークした限定ユニホームを着用。22、23年は両チームが「伝統の一戦」の発端となった1936年の復刻ユニホームを着用した。24年は5月24日の甲子園で戸郷(巨)がノーヒットノーランを達成。阪神が甲子園での巨人戦で喫したのは36年以来88年ぶりだった。