なでしこで活躍のサンフレッチェ広島・近賀ゆかり選手、引退会見で「全てを出した」と晴れやかな表情

2025年5月21日(水)10時54分 読売新聞

現役引退の記者会見に臨む近賀選手(エディオンピースウイング広島で)=東直哉撮影

 サッカー女子のWEリーグ・サンフレッチェ広島レジーナ創設時からのメンバーで、元日本女子代表(ジャパン)としても活躍したDF近賀ゆかり選手(41)が20日、エディオンピースウイング広島(Eピース)で現役引退の記者会見に臨んだ。「選手としてできることはもうない。全てを出した。今はすっきりしている」と晴れやかな表情でプロ生活を振り返った。(新田修)

 引退を決意したのは、昨季の開幕当初(昨年9月)だったという。理由について、「自分の中で『決めた』というより、『勝手にそれ(引退のタイミング)が来た』という感じ。昨季はスタート(先発出場の機会)が増え、大けがもしたけど、それ(決断)が揺らぐことはなかった」と明かした。

 豊富な運動量と、積極的なオーバーラップからの攻撃力を武器に、右サイドバックとして長く活躍を続けてきた。現役時代で最も印象に残ったシーンに2011年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会での日本の初優勝を挙げ、「言葉では言い表せない経験だった。日本の女子サッカーを大きく変えた出来事だったのは間違いない」と振り返った。

 国内外のクラブを渡り歩き、21年のチーム創設と同時にレジーナに加入。昨年2月に開業したEピースが新本拠地になり、WEリーグとしては異例の1試合2万人の観客動員も達成したことについては「想像していなかった。(クラブが)女子サッカーを引っ張れるようになったと思った」と語った。

 今後については明言を避けたが、「レジーナが日本で一番のクラブになることの力になりたいし、なでしこジャパンが世界のトップに立ち続けられるように、何らかの形で関わりたい。監督という仕事の魅力も、もちろん感じている」と、指導者の道へ進む可能性があることを示唆した。

 会見の最後には、レジーナから古巣の岡山湯郷Belleへの移籍が決まったGK福元美穂選手(41)が、近賀選手に花束を贈呈。「近賀選手はここで引退になるが、最後にチームメートでいられて幸せだった」と話した。

きんが・ゆかり 1984年5月2日生まれ。神奈川県出身。2011年ワールドカップ(W杯)ドイツ大会で右サイドバックとして日本の初優勝に貢献した。銀メダルに輝いた12年ロンドン五輪、準優勝した15年W杯カナダ大会にも出場。日テレ・ベレーザ(現日テレ・東京V)やINAC神戸、海外クラブに所属し、21年から広島でプレーしていた。国際Aマッチ100試合出場で5得点。

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