【世界卓球】早田ひな「団体戦をやっている感覚」「また表彰台に」日本勢4人が臨んだ準々決勝…中国に1勝3敗
2025年5月24日(土)9時34分 スポーツ報知
早田ひな
◆卓球 ◇世界選手権個人戦 第7日(23日、カタール・ドーハ=ルサイル・アリーナ)
【ドーハ(カタール)23日=宮下京香】日本勢の4人が臨んだ女子シングルス準々決勝で、世界ランク7位で前回23年大会銅メダルの早田ひな(日本生命)は、同3位の陳幸同(中国)に0—4で敗れた。
「陳幸同選手に対して出せる技術は出していけたけど、新しい戦術を1回しか出せなかったり、そういうところも悔しさとして残っている。やり切った感覚はあるけど、もっとこうしたら…というものはある。それが勝ちにつながるかは分からない。でもそれができたら良かったけど、やる自信がなかったんだと思います」と悔しさをにじませた。
第1ゲーム(G)は後半に挽回したが、振り切られた。早田はラリーで中陣に下がり、速いテンポの陳に応戦。6—6から4連続得点で先にゲームポイントを握られたが、サーブを変えて得点するなど10—10に追いついた。しかし最後は2連続失点でゲームを先取された。第2G以降も陳のレシーブに対してのサーブ、3球目で得点できない場面が増えるなど徐々に相手の展開が多くなり、結果的にストレートでの敗戦となった。
日本勢4人と中国勢4人の顔合わせとなった準々決勝。伊藤美誠(スターツ)が勝利し、早田、大藤沙月(ミキハウス)、張本美和(木下グループ)は敗れた。伊藤は前回大会の早田の勝利があったからこそ「メラメラした」と力に変えて世界ランク4位の王芸迪の撃破につなげた。早田は「心技体全てがそろっていないとここで中国人選手に勝つのは厳しい」とし「(今回は)団体戦をやっているような感覚だった。1番手の美誠が勝ってくれて自分も(続いて)勝負だという気持ちで。自分は力不足だったけど、今後も日本の卓球界はそうやって切磋琢磨(せっさたくま)していくと思う。(互いが)ライバルでも勇気をもらったり、そういった存在になってくると思うので(日本勢4人が8強進出を)プラスに捉えて、自分もまた表彰台に上がれるように頑張りたい」
昨夏のパリ五輪で左腕を痛めてから、思うように練習を積めなかったり「暗いトンネルにいるような感覚」ともどかしさを感じながら、戦ってきた。負傷から復帰して出場権をつかんだ今回の世界卓球は、大舞台での相手との対戦から、引き出された技術、得られた感情、見つかった課題も多かったという。「パリの時の自分がよみがえったり、新しい自分が見えてきたり、自分と向き合うことで、楽しさは見つかってきている。今後も試合には出て行きたい。試合じゃないと見つからないこと(課題が)多いので」と見据えた。目標の28年ロサンゼルス五輪に向けて、早田自身、大きなきっかけをつかんだ大会を終えた。