【気になるボートレーサー「ピットUP」】藤森陸斗 典型的な一気ブレーク型 大敗減れば鬼に金棒
2025年5月24日(土)4時30分 スポーツニッポン
若手選手の成長には2パターンある。長所を伸ばして短所を補いながら、段階を踏んで強くなるタイプ。成績の波が大きいが、ふとしたきっかけで一気にブレークするタイプ。今回紹介する藤森陸斗(26=福岡)は後者にあたる。
「前期は初優勝もできたけど、成績とエンジンの仕上がりにムラがあった。そこの安定を図って今期こそA級に上がりたい」
前期は待望のデビュー初優勝を飾った。昨年12月の蒲郡でイン速攻V。しかも蒲郡初出走での快挙だった。
優勝戦は2号艇にSG覇者の平石和男、5号艇にコース取り果敢な藤丸光一、6号艇にチルト2度の藤山翔大がいて濃いメンバー。そんな中で、2連対率で下から5位のエンジンを仕上げ、自力で獲得した優勝戦1号艇から強心臓ぶりを発揮した。
ただ、この期にA級勝率を取れそうな予感もあっただけに、新勝率5.04は自己ベスト更新にもかかわらず、やや物足りなく映ってしまう。
「前期は2連対率(32.4%)も3連対率(49.5%)もA級の基準を超えることができたので、いかに大敗を減らすか。5、6着を減らすことで勝率は上がってくると思う」
現在男子14人、女子12人の127期生。養成所チャンプの清水愛海、清水と同じくトップルーキーの川井萌がスポットライトを浴びているが、藤森も養成所成績は男子1位の好素材だ。「同期の女子の活躍はうれしいし刺激にもなります」
今期は芦屋のGW戦で予選オール3連対をマークして得点率トップ通過。優勝戦1号艇で2回目のVに手が届きかけた。優勝戦はスタートで放って捲られてしまったが(優勝は瓜生正義)福岡支部の強豪が集結した開催で存在感を発揮。次の蒲郡は8戦4勝の活躍を見せて、現時点での今期勝率は7.28となる。
攻めるターンで大敗のリスクも高いスタイルだが、センター、アウトからの捲り差しは切れ味絶品。今期こそA級、いやA1勝率を取って来年のトップルーキーも目指してほしい。
◇藤森 陸斗(ふじもり・りくと)1999年(平11)1月28日生まれ、福岡県出身の26歳。127期生として20年11月、福岡でデビュー。初優勝は24年12月の蒲郡。通算6優出1V。師匠は古沢光紀。弟・拓海(132期)との兄弟レーサー。同期に清水愛海、川井萌、仲道大輔、登玉隼百ら。1メートル65、54キロ。血液型AB。