【独占手記】楽天・浅村栄斗「僕に代わる選手はいない」プライドと使命胸にたどり着いた2000安打

2025年5月24日(土)19時34分 スポーツニッポン

 ◇パ・リーグ 楽天2ー1日本ハム(2025年5月24日 楽天モバイル)

 楽天の浅村栄斗内野手(34)が、24日の日本ハム戦(楽天モバイル)の初回に先制の右前打を放ち、史上56人目の2000安打を達成。平成生まれの2000安打達成は初となった。苦しみ抜き、プロ17年目でついにたどり着いた大台。34歳のベテランがスポニチに独占手記を寄せ、偉業達成の思いを語った。

 うれしいというよりも一番はホッとしています。アサメーターのボードも掲げてもらって、ファンの人が凄く盛り上がってくれた。そういうファンの皆さんの前で、今日こうやって達成してチームも勝って幸せです。

 ここまで来ることができたけど、僕は決してエリートじゃない。打てなくてもミスしても歴代の監督に使っていただいた。若い頃はそれを意気に感じて、なんとかしたいと思ってやってきた。当時の仲間もそうだし、出会いに恵まれた。野球がなかったら、今何をしていたのかも分からないし、本当に感謝しかないです。

 子供の頃は(松井)稼頭央さんが好きでした。97年の球宴で古田さんから盗塁を決めまくっていて格好良かった。18年に西武で1年間だけ一緒にプレーさせてもらいましたけど、最初は不思議な感じでした。楽天での2000安打達成は稼頭央さん以来。好きだった人の名前に続けたのは本当にうれしいです。

 プロに入ってから憧れたのは中島(宏之)さん。開幕前に“やめるわ”と電話がかかってきた時に“3000本を目指せ”と。さすがに無理ですと言いましたけど…。安打数(1928)では抜いたかもしれませんが、超えたという感覚は全くないです。

 その中島さんが抜けた13年が激動でした。遊撃で出場したDeNA戦で守備のミスをして、当時の渡辺久信監督にベンチの真ん中で激しく怒られました。直後の打席も空振り三振ですぐに交代。でも、僕も意地になって監督の前に座って、めちゃくちゃ声を出していた。普通だったら2軍でもおかしくなかったけど、翌日はまさかのプロ初の4番。それがシーズン最後まで続いて打点王を獲れた。何年か後に人づてに、その時のベンチでの姿を見て“4番で使おう”と思ってくれたと聞きました。あそこが自分のターニングポイントですね。

 盛岡(20日の西武戦)で連続試合出場が止まりました。自分も結果が出ていないし、最近はチームも勝てていないので、どこかで記録は途切れるだろうなと感じていました。しんどくてもケガをしていても調子が悪くても僕が打たなければ…というプレッシャーを感じながらずっとやってきた。10年以上続いていたので、正直、簡単には切り替えられませんでした。途切れて“じゃあ、明日からまた頑張ろうってなれるほど簡単なものじゃない”と言ってくれた人もいました。妻とも“これで腐るのは違うよね。腐らず頑張ろう”と話し、もう前を向いています。

 世代交代という声もありますが、僕に代わる選手って自分の中ではいないと思っています。僕がまだやらないといけないというプライドも使命もまだ持っている。FAで来て昨年までの6年間で優勝できず、自分に物足りなさは感じますが、今年もその先もチャンスはある。2000安打を達成しましたが、もう一回、一からではないけど、やっていきたいなという気持ちになっています。(東北楽天ゴールデンイーグルス内野手)

スポーツニッポン

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