楽天・浅村 憧れの中島宏之の背中を追い...「これがゴールではない」 通算2000安打達成

2025年5月24日(土)14時24分 スポーツニッポン

 ◇パ・リーグ 楽天ー日本ハム(2025年5月24日 楽天モバイル)

 楽天の浅村栄斗内野手(34)が、24日の日本ハム戦(楽天モバイル)で2000安打を達成した。平成生まれでは初の偉業。また、多くの名選手を輩出してきた大阪桐蔭からも初めての達成者となった。

 史上56人目となる偉業を達成した浅村は照れくさそうに記念のボードを掲げた。

 プロ2年目の10年3月31日のソフトバンク戦。8回に代打で登場し、岩崎からプロ初安打となる左翼線への適時二塁打で偉大な記録へのスタートを切った。「凄く緊張していていましたし、凄い歓声の中で打席に立ったのは今でも覚えています」。記念の一打から5533日をかけて大台に到達した。

 大阪桐蔭では3年夏に「1番・遊撃」としてチームをけん引し、全国制覇。同年秋にドラフト3位で西武に入団後、若手時代はチームの主力だった中島宏之の背中を追った。目をかけてもらい、1年目のオフから自主トレに同行した。高校時代は線が細く、通算22本塁打。「ヒットの延長がホームラン」という考え方だったが、逆方向の右翼席へ力強い打球を飛ばす憧れの背番号3を見て「僕も長打を打ちたい。こういう選手になりたい」と理想の選手像とし、徐々にスタイルを変えていった。

 中島からは試合でミスした際に「気にするな」とスマホにメッセージが届き、試合に出られなかった際にも「これからレギュラーを取っていくためにも、この時間を無駄にしないように」と声をかけてもらった。その師匠がユニホームを脱いだ年に通算2000安打に到達したのも何かの縁かもしれない。17年には伝統の背番号3を継承。18年には自身2度目の打点王を獲得するなど、名実ともに球界を代表する強打者としての階段をのぼっていった。

 20日の西武戦(盛岡)で今季初めてスタメンを外れ、最後まで出場せず。歴代4位で、パ・リーグ記録でもある連続試合出場が1346で止まった。西武時代の15年8月から積み重ねた偉大な数字。それでも令和の鉄人としてチームを背中で引っ張ってきた男は「調子が悪くても、ミスをしても使い続けてくれたのが、今の自分につながっている。それがなかったら、今の僕は確実にいない」と歴代の首脳陣へ感謝の気持ちを惜しむことはない。

 楽天移籍1年目のオフ、19年12月にタレントでフリーアナウンサーの淡輪ゆきと結婚。家に帰れば1男1女のパパだ。「どんな時でも、家に帰れば普通に接してもらえる。それが凄く心地いいです」。家族の存在も長い活躍を支える秘けつだ。

 バッティングの根本にあるのは「後悔しないようにバットを振る」という思い。「これがゴールではないし、まだまだやりたい。まだまだ打ちたいと思っている。もっと上を目指してやっていきたい」。まだ34歳。これからも一本ずつ、安打を積み重ねていく。(花里 雄太)

スポーツニッポン

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