【宮田莉朋F2密着】モナコで待ち受けていた不運。収穫を得たスプリントレース/第5戦レビュー前編

2024年5月27日(月)4時35分 AUTOSPORT web

 近年は市街地サーキットが増えたが、モナコの市街地コースはほかのどこにもない、独特なコースレイアウトと路面だ。そのため、F1ドライバーでも自信を持ってアタックできるまでに、何周か走行を重ねなければならない。


 そんなモナコ・モンテカルロを初めて訪れたFIA F2参戦中の宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)。1周でも多く走行し経験を重ねたかったが、初日のフリー走行はあいにくのヘビーウエットとなった。


「周回を重ねられたものの、クリアラップが取れず、いいラップが刻められないまま終わってしまいました。今シーズンここまで数戦走って、ようやくピレリのタイヤを理解し始めてモナコを迎えたのに雨。しかも初めて走る市街地コースだったので、かなり難しい滑り出しとなりました」

2024年FIA F2第5戦モンテカルロ 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)


 翌日、ドライコンディションとなった予選では予期せぬトラブルが宮田のマシンに発生した。ターン1で加速した際に車両に問題が発生し、スロー走行を余儀なくされた宮田は満足にタイムアタックできずに、そのままピットインとなった。


「(チームは)ピットでいろいろな作業をしてくれたのですけど、問題が解決することはなく、1周だけ走って終了となりました。スロー走行している際に、トンネル内で後ろからアタックしていたクルマ(カンポス・レーシングのアイザック・ハジャル/なお、同区間にはイエローが掲示されていた)が接触しかけたのですけど、僕にはどうすることもできなかったので、ぶつからなくて良かったです」




 ドライコンディションとなった予選でほとんど走ることができないままスプリントレース(決勝レース1)を迎えることになった宮田は、チームがフィーチャーレース(決勝レース2)に向けた準備という位置付けで立てたランプランとともにスプリントレースに臨み、17位で完走した。


「30周のレースでしたが、初めてモナコでレースした印象は“やはり狭い!”です。同じ市街地コースのジェッダ(サウジアラビア)や公園内のメルボルン(オーストリア)とも違います。一番の違いはアップダウン、そして路面がうねっているところです。そのため、ライン取りがほかのサーキットとは違って独特。そういうサーキットでどこまでタイヤのグリップを信じていくのかがすごく重要で、ピレリタイヤ1年目の僕としてはそこがまだつかみきれていないので、いままさに勉強中です」と、スプリントレース終了後に話した宮田。


 ポイントは獲得できなかったが、スプリントレースでも収穫はあった。それはモナコを走ったという経験だ。

2024年FIA F2第5戦モンテカルロ 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)


「モナコのようなサーキットは日本にはありません。特にヘアピン(ターン6/ローズヘアピン)や、続くトンネルまでの下り坂のふたつの右コーナー(ターン7&8)は独特です。1速をあんなに使うところはないし、ステアリングの切れ角も日本では考えられないくらい切ります。そのうえで、荷重を移動させてタイヤをグリップさせていかなければならない。このようなレイアウトは本当にここだけだと思います」


 予選で107パーセントタイムを越える前に走行を終えた宮田は、フィーチャーレースも22番グリッドからのレースとなる。


「ここに来る前から難しい週末になることは覚悟していたのですが、予選でトラブルに見舞われるなど、想像していたよりも厳しい週末となりました。でも、これも乗り越えなければならない試練だといまは思っているので、耐えるしかないです」


 そう語った宮田はフィーチャーレースへ向けて、気持ちを切り替えていた。

2024年FIA F2第5戦モンテカルロ 宮田莉朋(ロダン・モータースポーツ/TGR WECチャレンジプログラム)


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