井上尚弥のシューズで圧巻KOデビュー 大橋ジムの超新星・荒竹一真「尚弥さんを感じながら試合した。自分のロールモデル」
2025年5月28日(水)18時3分 スポーツ報知
2回TKO勝利でデビュー戦を飾った荒竹一真 (カメラ・堺 恒志)
◆プロボクシング ▽49キロ契約6回戦 〇荒竹一真(2回KO)キティデッチ・ヒルンサク●(5月28日、横浜BUNTAI)
アマチュアボクシング8冠の荒竹一真(22)=大橋=が、キティデッチ・ヒルンサク(23)=タイ=を2回KOで下し、プロデビュー戦を勝利で飾った。
世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(32)にあこがれて、大橋ジムに入った。井上から譲り受けたリングシューズで、デビュー戦に臨み「井上尚弥さんを感じながら試合していた」。控室、リング下でも、井上から「頑張って」と激励されてグータッチ。「そのことが、試合で勝ったことと同じぐらいうれしかった」と話し、「井上選手みたいになりたい。ボクシングの面でも、人としても、尚弥さんは自分のロールモデルでもある」と笑顔を見せた。
サウスポーの荒竹は、前後に細かくステップしながら多彩な右をヒット。2回、左ボディーからつないだ右フックのカウンターでダウンを奪い、圧巻のKO勝利。「井上尚弥選手が(エマヌエル)ロドリゲスを倒した時の、奥の手のボディーからの前の手フックのコンビネーションで倒すことができた。かなりキレイに入った。いい形で決まったんじゃないかと思う」とフィニッシュシーンを振り返り、「これからが始まり。どんどん大きくなっていく荒竹一真を楽しみにしていただけたら。いつかチャンピオンベルトを巻くことができるように頑張りたい」と高らかに語った。
荒竹は2002年11月22日、鹿児島県生まれ。小学5年でボクシングを始めた。鹿屋工高時代に、コロナ禍で中止となった3大会を除くすべての大会を制し高校5冠を達成。23年全日本選手権など、高校、大学で出場した国内主要7大会すべてで優勝。日本代表としても、21、23年の世界選手権で5位、24年エロルダ杯で日本人初優勝などの実績を残した。23年IBAアマチュアボクシング世界ランキングは3位。元プロボクサーで24年パリ五輪日本代表コーチも務めた父・俊也さん(50)がトレーナーを務める。身長160センチのサウスポー(利き腕は右)で、アマチュア戦績は65戦58勝(11RSC)7敗。