広島・末包昇大が劇的チェンジ「ある程度決めを持って打席に入っている」成長の裏側とは

2025年5月29日(木)8時42分 スポーツニッポン

 広島・末包昇大外野手(29)が明らかに昨季とは違う姿を見せている。目下打率・267でチームトップの6本塁打、31打点をマーク。成長の裏には、昨季までと異なる心構えが関係していた。

 「自分の中である程度、決めを持って打席に入っている。ダメならダメと割り切って。打てないと思うボールは振りにいかない。しっかりと振れると思うところだけを振っていこうと」

 投手に合わせて対峙(たいじ)するのではなく、自分主導での勝負を心がけるようになってから結果が出始めた。昨季は、右投手の外に逃げる曲がり球や、左投手の落ちる変化球に手を出し、バットが空を切ることが多かった。「内角攻めでフォームが崩されて体が開く状態になっていた」と相手の術中にはまり、悪循環に陥っていた。それが、今季は“割り切り”の精神を貫くことで、改善傾向にある。技術面では、内角攻めに対応できるように、自主トレから2段グリップのトレーニングバットを導入した。「体の近くから縦振りで振れるように」と現在も練習で使用しており、同じ轍を踏まないための取り組みも行っている。

 こうした取り組みが、四球増、三振減にもつながっている。昨季79試合で「12」だった四球は、今季、42試合終了時点で既に「19」と昨季を上回る数字だ。三振数も、182打席で「36」。これは昨季182打席消化時(41)よりも少ない。朝山打撃コーチは末包の変化を説明した。

 「昨年とは全然違う。末包はストライクゾーンを広げすぎる傾向にある。リーチが長い分、届くと思って振るんだけど、実際はボール球を振っていた。とにかく広げすぎないというのを言っていて、今は低めの誘い球への割り切りはできていると思う。とんでもない球を振る三振もなくなってきているし、四球が増える。いい働きをしてくれている」

 4月9日からは4番を任され、カープ打線を支えている。「今年は打点にこだわっているので、しっかり重ねていきたい」と末包。現状に満足することなく、さらなる活躍を期した。(記者コラム・長谷川 凡記)

スポーツニッポン

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