バスケットボールのバスケットは、もともと桃を入れるカゴだった
2023年6月23日(金)17時0分 ココカラネクスト
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今夏、8月25日に日本(沖縄)、フィリピン、インドネシアの3か国共済でワールドカップが開かれることでも注目を集めているバスケットボール。最近ではNBAで存在感を発揮する八村塁(レイカーズ)など日本勢の活躍も目覚ましく、さらなる競技人口拡大が期待されるスポーツとなっている。
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そんなバスケットボールは、1981年、アメリカの体育教師ジェームズ・ネイスミスによって生み出された。考案の理由は、冬場の運動不足解消のために、室内で楽しめる競技が求められていたからだという。
当初、ネイスミスはゲームのゴールに45㎝四方程度の箱を使うつもりだった。しかし、初戦に手に入ったのは、桃を収穫するためのカゴだった。これを体育館の高所に取り付け、専用の球もまだなかったのでサッカーボールでやってみることにした。
その日の試合は1時間ほど続き、見事桃のカゴにシュート決まったことで終了した。そして、カゴ(バスケット)に球(ボール)を入れるスポーツであることから、「バスケットボール」と名付けられた。あまりにシンプルなこの競技名は、現在のようにバックボードにリングを取り付けるようになった今でも使われている。
ちなみに、ネイスミスが行った世界初の試合には、実は日本からの留学生も参加していた。石川源三郎という旧舘林藩の武士の子で、後に三井物産などに勤めた人物。石川が残した初試合のスケッチには、ボールを目指して思いおもいに手を伸ばし、新しいスポーツを生き生きと楽しむ人々が描かれている。
誕生から140年以上に渡り、多くの人々を魅了してきたバスケットボール。その誕生には、運動不足解消という現代にも通じる悩みと、もともと遊びであったがゆえのおおらかな偶然が関わっていた。
[参考文献=水谷豊『バスケットボール物語 誕生と発展の系譜』(大修館書店 2011年5月)]
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<この記事を書いた人>近藤仁美(こんどう・ひとみ)
クイズ作家。国際クイズ連盟日本支部長。
日本テレビ系『高校生クイズ』『クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?』など、各種媒体に問題を提供する。
クイズの世界大会「World Quizzing Championships」では、日本人初・唯一の問題作成者を務める。