2021年開幕の電動SUV戦『エクストリームE』にアプト・スポーツラインが参戦を表明

2019年7月16日(火)11時39分 AUTOSPORT web

 2021年の開幕が予定されている電動SUVによるオフロードレース『Extreme E(エクストリームE)』へ、ABBフォーミュラE選手権でも活躍を演じるアプト・スポーツラインが参戦を表明。ユニークなコンセプトのEVオフロード選手権初年度シーズンに挑むこととなった。


 2019年1月末にラウンチパーティが開かれたエクストリームEは、7月初旬にイギリスで開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードの会場にて、シリーズ初年度に使用されるスパーク・レーシング・テクノロジーズ社製のベースマシン『Odyssey 21(オデッセイ21)』が公開されている。


 マシンお披露目の翌週となる7月10日にシリーズへの本格参入をアナウンスしたアプト・スポーツラインは、ドイツに拠点を構える名チューナーとしてフォルクスワーゲン・アウディ・グループを中心に、70年以上にわたってモータースポーツ活動を続けてきた。


 複数のカテゴリーやジャンルを超えて成功を収めてきた同社は、DTMドイツ・ツーリングカー選手権で5度のタイトルを獲得。近年では電動フォーミュラの世界で、アウディのファクトリープログラムであるアウディスポーツ・アプト・シェフラーのチームオペレーションを担当し、2016/17年シーズンにはルーカス・ディ・グラッシのチャンピオン獲得を支えたほか、2017/18年シーズンにはチームタイトルを獲得している。


 フォーミュラEの創設者兼CEOであり、新生エクストリームEのファウンダーでもあるアレハンドロ・アガグは、アプト・スポーツラインの参戦表明に際し「シリーズに参戦表明した最初のチームのひとつとして、彼らを歓迎する」とコメントした。


「アプト・スポーツラインは今から約6年ほど前、当時まったく新たなコンセプトを打ち出して立ち上げたフォーミュラEの理念にコミットし、参戦意思を示してくれた最初のチームのひとつでもあった」


「彼らのチームは、フォーミュラE、DTM、さらにその他トップクラスの選手権で長年にわたって大きな成功を収めてきた。そして今後は、過酷な環境と真っ向勝負のフォーマット、真の創意工夫を必要とするエクストリームEの技術開発というユニークな挑戦が待ち受ける」

シリーズ初年度に使用されるスパーク・レーシング・テクノロジーズ社製のベースマシン『Odyssey 21(オデッセイ21)』
シリーズ初年度からフォーミュラEに参戦するアプト・スポーツラインは、2014/15からアウディスポーツアプト・シェフラーとして参戦してきた


「このエクストリームEへのチャレンジは、彼らと競合他社にとって間違いなく今後のコアとなる大きな課題を提供する。アプト・スポーツラインがそのハードルをどのようにクリアするのか、今から待ちきれない気分だ」


 アプト・スポーツラインは今後も参戦表明するエントラントと同様に、2020年3月までにはスパーク社が製造する全12台のオデッセイ21のうち1台のデリバリーを受ける予定となっている。その後は、独自パワートレインの開発テストや、市販モデルの外観を再現しつつ空力性能の最適化も狙うべく、エンジンカバー、前後バンパー、サイドスカートやライト類など、定められたボディワークのデザイン、開発作業にも取り組むことになる。


 この新たな挑戦に向け、アプト・スポーツラインCEOのハンス-ユルゲン・アプトも「モーターレーシングでのアイデアとマーケティングの可能性という両面で、我々はこのコンセプトの成功を信じている」と、意気込みを語った。


「我々、アプト・スポーツラインのメンバー全員が、コンペティション、イノベーション、エレクトリック・モビリティ、そしてモータースポーツにおける新しい分野の開拓を愛しているんだ。その精神こそが2013年にフォーミュラE創世記への参戦を決めた動機のひとつであり、エクストリームEファミリーへのメンバー入りを決めた理由なんだ」


 同じく、同社のスポーツディレクターであるトーマス・ビアマイアーも、新たなチャレンジへの意気込みを語っている。


「エクストリームEの運営チームは、我々が100%の信頼を寄せ、長年にわたって友好関係を築いてきたメンバーで構成されている。我々の組織は過去70年にわたってあらゆるモータースポーツに関わっており、そして今、このエクストリームEでその最新の章を始められることを楽しみにしている」

アプト・スポーツラインのスポーツディレクター、トーマス・ビアマイアー(右)とアレハンドロ・アガグ
すでに役割を終えている貨客船RMS St Helena(セントヘレナ号)の船上を、シリーズの”フローティングパドック”として活用する


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