【F1第3戦無線レビュー(1)】残り4分半で修復完了。フェルスタッペン 「信じられない仕事だ。みんな、ありがとう」

2020年7月22日(水)14時52分 AUTOSPORT web

 2020年F1第3戦ハンガリーGPは、スタート前にマックス・フェルスタッペンがクラッシュし、レッドブル・ホンダにとっては波乱のスタートだった。フェルスタッペンがグリッドへ到着すると、メカニックたちが懸命にマシンを修復。その後フォーメーションラップでは、緊迫したやり取りが続いた。そんなF1第3戦のスタートまでの模様を無線とともに振り返る


──────────


 第3戦ハンガリーGPのドライバーとチームとの間での無線は、スタート前から緊迫したやりとりが交わされていた。その第一声はガレージを出たマシンがダミーグリッドへ着くためのレコノサンスラップ中に12コーナーでコントロールを失ったマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)からだった。


14時48分
フェルスタッペン:タイヤバリアに突っ込んでしまった。


レッドブル・ホンダ:わかった。


フェルスタッペン:ピットへ向かったほうがいいかな。


レッドブル・ホンダ:ダメだ。グリッドに来い。


フェルスタッペン:OK。でも、サスペンションが完全に逝っちゃったよ


14時50分
 フェルスタッペンのマシンがメカニックに押されて、7番グリッドに到着。メカニックがサスペンションのダメージを見る

2020年F1第3戦ハンガリーGP マックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)、決勝前のレコノサンスラップでクラッシュ


14時51分
 クリスチャン・ホーナー代表がグリッドに到着。ヘルメットをつけたまま作業を見守るフェルスタッペンの横を通り過ぎる


14時52分
 新しいノーズが到着。フェルスタッペンがヘルメットを取り、レースエンジニアのジャンピエロ・ランビアーゼと話し合う

2020年F1第3戦ハンガリーGP 新しいフロントウイングを運ぶレッドブルのメカニック


14時53分
 フェルスタッペン、国歌斉唱のために表彰台の下へ


14時57分
 ブレーキドラムを外す。グリッドに戻ったフェルスタッペンにホーナー代表が駆け寄り、二言三言語りかける


14時58分
 ステアリングロッドの調整を開始。プッシュロッドの修理を開始


15:00
 フェルスタッペンがコクピットに乗り込む


15:02
 ステアリング装着


15:03
 プッシュロッドの修理が完了し、カバーが取り付けられると、グリッドからのスタートを確信したランビアーゼからフェルスタッペンに無線が入る


レッドブル・ホンダ:無線、チェック


フェルスタッペン:無線、チェック


レッドブル・ホンダ:無線、OK


レッドブル・ホンダ:フォーメーションラップの手順に変更はない。グリッドでのスタート練習でピットリミッターとバイトポイントを確認しろ。1コーナー手前でモード12だ。フォーメーションラップではできるだけ1速と2速を使用。そして、全周に渡って、マニュアルを使用してくれ。


 それから、可能なら4コーナーでギヤ・シンクを確認してほしい。フォーメーションラップを終えて、グリッドの最後尾、P20のところでバーンアウトを2回してくれ。そのあとは、惰性でグリッドまでマシンを運ぶんだ。今日は静止時間がだいたい30秒だ。


15:04
 ホーナーが握手に行く。


15:04(タイヤ装着締切時刻まで残り30秒)
 左前輪タイヤ装着


残り4分38秒
 すべての修復作業終了


フェルスタッペン:信じられない仕事ぶりだ。みんな、ありがとう。


15:07
 レースエンジニアと握手


15:08(フォーメーションラップスタート1分30秒前)
 エンジン始動


15:09(フォーメーションラップスタート45秒前)
 タイヤウォーマーが外され、マシンがジャッキから下される。その後メカニックがタイヤの上部にタイヤウォーマーをかぶせる


15:09(フォーメーションラップスタート30秒前)
 タイヤウォーマーが完全に外され、メカニックがグリッドから退避。チーフメカニックがサムアップしてフェルスタッペンを送り出す


15:10
 フォーメーションラップがスタート


 そのフォーメーションラップ中にも、ドライバーとチームの間では緊迫した無線交信が行われた。


ハース:OK、ケビン。よし、いまピットインしよう。


ケビン・マグヌッセン:わかった。ピットインする。もちろん、ドライタイヤだよね。


ハース:そうだ、ドライタイヤに交換するためのピットインだ。


マグヌッセン:OK、ドライタイヤだ。BOX、BOX。


 しかし、このピットインの指示が、ドライバー援助を制限する規則に違反すると判断されることになる。


 対象的にアルファタウリ・ホンダはダニール・クビアトからの無線に応じず、ドライタイヤに交換するというアドバンテージを得ることはできなかったが、ペナルティは回避した。


クビアト:スタート前にスリックタイヤに変えたい。返事をくれ。変えるか、このままスタートするか。大きな決断だからね。マグヌッセンがピットインしたよ。


アルファタウリ・ホンダ:…………

2020年F1第3戦ハンガリーGP ダニール・クビアト(アルファタウリ・ホンダ)
2020年F1第3戦ハンガリーGP ケビン・マグヌッセン(ハース)


──────────
(2)に続く


AUTOSPORT web

「修復」をもっと詳しく

「修復」のニュース

「修復」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ