ポルシェ、2017年限りでWEC/ル・マンでの活動終了を正式発表。FE挑戦へ

2017年7月28日(金)14時8分 AUTOSPORT web

 WEC世界耐久選手権に参戦しているポルシェは7月28日、2017年シーズン限りでWEC世界耐久選手権/ル・マン24時間での活動を終了し、2019/20シーズンからフォーミュラEに参戦すると正式に発表した。


 2016年のアウディに続き、またもスポーツカー耐久レースの“巨人”がシリーズを去ることになった。ポルシェは2014年シーズンにWECに復帰参戦すると、翌年はアウディ、トヨタを下し、ル・マンを制覇。またシリーズチャンピオンを獲得した。2016年にもル・マン/WECを連覇したほか、今季のル・マンでも2号車ポルシェ919ハイブリッドが総合優勝。3年連続のル・マン制覇を成し遂げ、通算のル・マン勝利数を19に伸ばした。


 そんなポルシェについては、7月に入ってからWECの活動を終了するのではないかという噂があったが、ついに現実のものとなった。ポルシェは28日、2025年に向け、ミッションEのような電動GTカーを開発していくという戦略に従い、開発の自由度が高いフォーミュラEへ参戦。その準備を整えるべく、2017年シーズン限りでLMP1クラスへの参戦を終了するとして、17年限りでのWEC/ル・マンでの活動終了と、2019/20シーズンからのFE参戦を発表した。


 なお、ポルシェ911 RSRを投入しているLM-GTEへの参戦は継続。ル・マン24時間、IMSAウェザーテック・スポーツカーチャンピオンといった耐久レースにも継続参戦するとしている。


 LMP1プロジェクトを率いるフリッツ・エンツィンガーは「これまで築き上げてきたル・マンチームを解体するというのは大きなチャレンジになる」と述べている。


「長い年月をかけて、我々は最高のプロフェッショナル集団を作り上げた。だから、このチームを基礎とすればフォーミュラEでもハイレベルな戦いができると思っている」


「我々は自信に満ちているし、活動をスタートさせることを楽しみにしている」


 今回のポルシェの活動終了発表により、LMP1クラスのメーカーワークスチームの撤退は2015年のニッサン、2016年のアウディに続き3チームめ。気になるのは、ポルシェと戦ってきたトヨタの動向と、メーカーの後ろ盾を失ったWEC世界耐久選手権の動向だ。


 また、ヨーロッパの各国では内燃機関を搭載した乗用車の販売を2030〜2040年に禁止する法案が提出されており、DTMドイツツーリングカー選手権のメルセデス、WRC世界ラリー選手権のフォルクスワーゲン、WECのアウディと各社が現在の活動を終了させ、フォーミュラEへ活動をシフトさせている。これらの動きに日米のメーカーがどう対応していくのか、モータースポーツのあり方がどう転換していくのか。2017年は大きな分岐点になりそうだ。

2017年、ポルシェは2台の919ハイブリッドでWECに参戦している
6月のル・マン24時間では2号車ポルシェが優勝。通算19度目のル・マン制覇を成し遂げた


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