ドゥーハンが11番手から大逆転勝利。2位プルシェールがランキング首位浮上/FIA F2第11戦レース2

2023年7月30日(日)18時13分 AUTOSPORT web

 7月30日、2023年FIA F2第11戦のフィーチャーレース(決勝レース2)が、ベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで開催され、ジャック・ドゥーハン(インビクタ・ビルトゥジ・レーシング/アルピーヌ育成)が今季2勝目を飾った。


 またテオ・プルシェール(ARTグランプリ/ザウバー育成)が2位に入り、ポイントランキングトップに浮上。16番手スタートの岩佐歩夢(ダムス/レッドブル&ホンダ育成)はリタイアとなった。


 第11戦決勝レース2のグリッドは7月28日に行われた予選結果順となり、オリバー・ベアマン(プレマ・レーシング/フェラーリ育成)がポールポジションを獲得。2番グリッドににランキング首位のフレデリック・ベスティ(プレマ・レーシング/メルセデス育成)が続き、プレマ・レーシングの2台が最前列を占めた。


 2列目3番グリッドにビクトール・マルタンス(ARTグランプリ/アルピーヌ育成)、4番グリッドにゼイン・マロニー(ロダン・カーリン/レッドブル育成)が続き、3列目5番グリッドにテオ・プルシェール(ARTグランプリ/ザウバー育成)、6番グリッドにデニス・ハウガー(MPモータースポーツ/レッドブル育成)と、いずれもF1ジュニアプログラムに所属するドライバーが上位グリッドを占めた。


 ただ、決勝へ向け、ガレージエリアからダミーグリッドへ向かうレコノサンスラップの途中、プライムタイヤを履いたベスティがケメルストレートで濡れた路面に足元をすくわれクラッシュ。


 ポイントリーダーがレースに出走できずに終わるという波乱の展開となった。なお、その直前にはマルタンスもターン4(ラディオン)立ち上がりでスピンを喫しウォールヒットするも、大事には至らずグリッドに着いている。


 直前の計測で気温13度、路面温度16度という曇天のもと、タイヤ交換義務を有する周回数25周(60分+1周)の決勝レース2は、現地時間10時5分(日本時間17時5分)にフォーメーションラップを迎えた。


 今大会のタイヤコンパウンドは、前戦ブダペストから変わらず、硬めのプライムタイヤがミディアム(イエロー)、柔らかめのオプションタイヤがソフト(レッド)となり、上位勢はスタートタイヤにオプションタイヤを選択。16番手スタートの岩佐はプライムタイヤをチョイスした。


 スタートでは、ベアマンがターン1のホールショットを守る。ベアマン、プルシェール、マロニー、フィッティパルディ、マルタンスというトップ5となるなか、オープニングラップのターン6で岩佐がバランスを崩し、アウトサイドにいたハウガーと接触。


 ハウガーは一時コース上でエンジンがストップするも、オフィシャルの押しがけによりコース復帰。一方、岩佐は走行を続けるも、サスペンショントラブルでピットに入りここでレースを終えた。


 なお、ハウガーはレース復帰も、オフィシャルの手を借りてエンジンを指導したことを理由に、失格の裁定が下された。


 岩佐とハウガーのアクシデントでオープニングラップにセーフティカー(SC)導入となり、レースは4周目に再開された。ベアマン、プルシェールがポジションを守るも、フィッティパルディとマルタンスがマロニーを攻略。


 その背後では、アーサー・ルクレール(ダムス/フェラーリ育成)とロイ・ニッサニー(PHMレーシング・バイ・チャロウズ)がターン3(オー・ルージュ)で接触。ルクレールはリヤタイヤのパンクもあり、ラディオンをスピンしながら滑り登るも、幸いクラッシュは免れた。


 一方、ベスティ、岩佐の¥がノーポイントとなるなか、2番手につけるプルシェールにとっては大量得点でランキング首位浮上、さらにはベスティと岩佐とのポイント差を一気に広げるまたとないチャンスが目の前に現れた。


 6周目のターン5でプルシェールはベアマンに接近も、ブレーキング勝負で2台ともシケインをオーバーランし、順位は変わらず。その後も2台はテール・トゥ・ノーズのバトルを続けるが、オーバーテイクポイントとなるターン5でベアマンはブロックラインも取り、ポジションを守る。


 10周目時点でプライムタイヤスタート勢トップは6番手のリチャード・フェルシュフォー(ファン・アメルスフォールト・レーシング)。この時点でベアマンとは8.1秒というギャップだった。


 12周目、ソフトタイヤスタートのアイザック・ハジャル(ハイテック・パルスエイト/レッドブル育成)がミディアムタイヤに変えてピットレーン出口に向かう途中、右コーナーでウォールにヒット。これでフロントウイングを失うことに。


 これでバーチャル・セーフティカー(VSC)が導入される。なお、VSC明けの13周目には3番手のフィッティパルディがベアマン、プルシェールの隊列の背後に追いつく。


 上位勢で真っ先にピットインしたのは、4番手マルタンス、と5番手マロニーの14周目。続く15周目にトップのベアマン、2番手のプルシェール、そしてミディアムスタート勢トップのフェルシュフォーがピットイン。


 このピット勝負を制したのはARTグランプリ。あわや接触かというギリギリのタイミングでプルシェールがベアマンを先行し、コース復帰。ARTグランプリのメカニックはガッツポーズを見せる。


 フィッティパルディは16周目にピットを終えるも、アウトラップでマルタンス、マロニーにかわされ後退。その直後、後方でジャック・クロフォード(ハイテック・パルスエイト/レッドブル育成)がファン・マヌエル・コレア(ファン・アメルスフォールト・レーシング)との接触でターン6でマシンを止めた。


 これで2度目のSC導入となり、ここで全車がピットを終える。ここで好機を得たのはミディアムスタートのドゥーハンだった。


 ピットを先伸ばしていたドゥーハンはSC導入タイミングでピットイン、プルシェールに続く2番手でコース復帰を果たした。


 レースは20周目に再開を迎えるとアナウンスされた19周目、FIA F2デビュー戦となるジョシュア・メイソン(PHMレーシング・バイ・チャロウズ)がターン9でスピン。一時マシンを止めたことで、SCが延長される。


 レースは21周目、残り5周という状況で再開を迎えた。トップのプルシェールはプライムタイヤ、2番手のドゥーハンはフレッシュなオプションタイヤという状況のなか、プルシェールは悪くない蹴り出しで、ドゥーハンに0.5秒のギャップでリスタート。


 21周目、プルシェールは2分1秒231とファステストを更新する走りを見せるも、ドゥーハンとの差はDRSによって一気に縮まる。その背後でもマルタンスとベアマン、マロニーとフィッティパルディがサイド・バイ・サイドの戦いを続ける。


 プルシェールは22周目も2分1秒068でファステストを更新。ただ、ドゥーハンもほぼ同じペースであり、2台のギャップは0.2秒で23周目のケメルストレートを迎えたると、DRSの手も借りたドゥーハンがトップに浮上する。


 ドゥーはんは23周目に1分59秒871でファステストを更新し、プルシェールとのギャップを一気に1.4秒まで広げた。


 25周目を終え、ドゥーハンがトップチェッカーを受け、今季2勝目をフィーチャーレス連勝で飾った。なお、ドゥーハンはファステストラップポイントも手にした。


 2位プルシェール、マルタンスは3番手フィニッシュも5秒ペナルティを受け、3位フィッティパルディ、4位マロニー、5位マルタンス、6位フェルシュフォーとなった。また、ベアマンもマルタンスとの接触により、5秒ペナルティを受け、7番手に後退している。また、プルシェールがドライバーズランキングトップに浮上した。


 2023年のFIA F2、次戦となる第12戦は8月25日〜27日にオランダのザントフォールト・サーキットで開催される。

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