MotoGPチェコGPプレビュー:後半戦がスタート。テクニカルなブルノを制するライダーは?

2018年8月2日(木)13時50分 AUTOSPORT web

 今週末、チェコのブルノサーキットでMotoGP第10戦チェコGPが開催される。第9戦ドイツGPから約2週間半のサマーブレイクを経て、いよいよシーズン後半のスタートとなる。


 チェコGPの舞台となるのはチェコ第二の都市であるブルノ。首都プラハの東南約200㎞に位置するブルノサーキットが舞台となる。旧東欧圏のチェコだが、レースの歴史は古く、1930年代から市街地コースでレースが開催されていた。ブルノサーキットは1980年代半ばに建設され、1987年以降、世界グランプリのホストサーキットとして、30年の歴史を持っている。


 ブルノは、1周5.403㎞、左コーナー6、右コーナー8からなるアップダウンに富んだテクニカルサーキット。コース前半は下りセクション、コース終盤は登りセクションに大別される。メインストレートは約600mと短く、切り返しのコーナーや回り込んだコーナーが多いのが特徴だ。パッシングポイントは比較的多く、レース終盤までポジション争いがもつれた場合は、コース終盤の13コーナーから最終コーナーが勝負のポイントとなることが多い。ここ数年は決勝日に天候がやや不安定なことが多く、タイヤチョイスの難しいレースとなることが多かった。


 昨年のMotoGPクラスの決勝はウエット宣言でスタートしたが、路面はウエットだったものの、天候は回復傾向で、2周目を終えてピットに入り、スリックタイヤを履いたマシンに乗り換えたマルク・マルケス(ホンダ)が、レインタイヤを履いたマシンより約10秒速いペースで周回を重ね、6周目にはトップに立つと、独走優勝。2位にダニ・ペドロサ(ホンダ)、3位にマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)が入賞した。


 Moto2クラスの決勝はドライコンディションでスタートしたが、20周のレースの7周目で雨が落ち始め、トップ集団が8周目に差し掛かったところで赤旗中断。残り6周で再スタートとなり、トーマス・ルティ(カレックス)が優勝。アレックス・マルケス(カレックス)が2位、ミゲール・オリベイラ(KTM)が3位に入賞した。


 Moto3クラスの決勝は、スタート時点で雨は小降りだったものの、レースが進むにつれて、ライン上は次第にドライになる難しいコンディションの中、レインタイヤでレースは争われ、ジョアン・ミル(ホンダ)が優勝、2位にロマーノ・フェナティ(ホンダ)、3位にアロン・カネト(ホンダ)が入賞した。


 MotoGPクラスでは、前戦で9年連続(MotoGPクラスで6年連続)でドイツGPポール・トゥ・ウインを飾ったマルク・マルケス(ホンダ)がランキングトップをリード。ランキング2位のバレンティーノ・ロッシ(ヤマハ)とのポイント差は46ポイントに拡大した。


 マルケスはドイツGPまでの前半9戦中5勝を記録、2回の2位入賞とノーポイントに終わったアルゼンチンGPとイタリアGPの2戦を除いて上位入賞を続けている。ブルノでは2013年と昨年に2勝を記録。MotoGPクラスに昇格した2013年以降、5戦2勝、通算4回表彰台に立つなど、マルケスが得意とするコースでもあり、今レースも優勝候補の最右翼。なお、マルケスは今レースで、MotoGPクラス参戦100戦目を迎える。


 ランキング2位のロッシは、ここまでの9戦で優勝こそないものの、2位1回、3位4回とコンスタントに上位入賞を続けている。前戦ドイツGPでは今季ベストとなる2位に入賞。ブルノでは過去5年間、コンスタントに上位に入賞しており、2014年と2015年に3位、2016年に2位と表彰台を獲得。昨年は4位に入賞している。


 オランダGP、ドイツGPと2戦連続で3位表彰台を獲得したマーベリック・ビニャーレス(ヤマハ)はロッシと10ポイント差のランキング3位につける。昨年のチェコGPではMotoGPクラスでブルノ初表彰台となる3位に入賞している。


 アンドレア・ドヴィツィオーゾ(ドゥカティ)はイタリアGP以降、表彰台からは遠ざかっているが、ランキング4位に浮上。ただし、ビニャーレスとは21ポイント差ある。ヨハン・ザルコ(ヤマハ)はドヴィツィオーゾに同ポイント並ばれ、ランキング5位に後退。ホルヘ・ロレンソ(ドゥカティ)はザルコと3ポイント差のランキング6位に浮上した。


 ダニロ・ペトルッチ(ドゥカティ)がロレンソから1ポイント差のランキング7位に続き、ペトルッチから5ポイント差のランキング8位にカル・クラッチロー(ホンダ)。クラッチローは2016年のチェコGPでMotoGPクラス初優勝を飾っている。クラッチローと4ポイント差のランキング9位にアンドレア・イアンノーネ(スズキ)が続き、ランキング4位以下はポイント差も少なく接戦となっている。


 ランキング10位にジャック・ミラー(ドゥカティ)が続くが、イアンノーネとの差は18ポイント。ミラーから4ポイント差のランキング11位にアレックス・リンス(スズキ)、ダニ・ペドロサ(ホンダ)はリンスから4ポイント差のランキング12位に止まるが、ブルノでは2013年に2位、2014年に優勝、昨年は2位に入賞するなど、得意とするコースであり、今季初表彰台獲得の期待が高い。


 中上貴晶(ホンダ)はイタリアGP以降、ノーポイントに終わったことでランキング21位に後退。しかし、予選ではカタルーニャ、ドイツとQ2に進出するなど確実に上位進出に近づいている。また、鈴鹿8耐ではHRCワークスの一員として3位表彰台獲得に貢献。ブルノではMoto2時代の2013年にポールポジションを獲得、2位に入賞した経験を持つ。


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