マクラーレンF1のリカルド、スランプ脱出への期待とプレッシャーの中、後半戦へ

2021年8月22日(日)9時15分 AUTOSPORT web

 ダニエル・リカルドは複数年契約を結んで2021年にマクラーレンに加入した。だがシーズン前半を終えた段階で、彼は期待されたような成績を挙げていない。早急にパフォーマンスが改善しなければ、マクラーレンは契約を早期に解除することも考えるかもしれない。


 前半11戦を終えた段階で、ランド・ノリスは表彰台に3回上り、113点を獲得、ドライバーズ選手権3位に位置している。しかしリカルドは50点で9位にとどまり、今季ここまでの自己ベストはイギリスGPでの5位だ。

2021年F1第10戦イギリスGP ランド・ノリスとダニエル・リカルド(マクラーレン)

 優勝経験を持ち実力があることが証明されているリカルドが、今年これほど苦しんでいることに、本人を含めてチームの誰もが困惑している。マクラーレン・レーシングのCEOザク・ブラウンとマクラーレンF1チーム代表アンドレアス・ザイドルは、彼が調子を取り戻せるよう引き続きサポートすると述べている。だが、2022年もこのような状況が続くことは避けなければならないと考えているはずだ。F1技術規則が大きく変わる来年、ライバルのフェラーリとアルピーヌは大きく飛躍する可能性がある。この2チームは今年ここまでの間、ドライバーふたりがほぼ同じポイントを獲得している。つまり、マクラーレンとは異なり、ひとりのドライバーに依存することなく、ふたりが最大限のポイントを稼いでいるといえる。


 現時点で、マクラーレンは、他のドライバーとの交渉を始めてはいない。だが、チーム関係者の話によると、ファクトリーでは、リカルドの調子がこのまま戻らなかった場合、来年に向けてチーム首脳陣はバルテリ・ボッタスかジョージ・ラッセルを起用することを考えるのではないか、とささやかれているという。

2021年F1第9戦オーストリアGP バルテリ・ボッタス(メルセデス)が2位獲得

 メルセデスに所属するボッタスは、チャンピオンの座に就いたことはないものの、予選ではほとんどの場合ルイス・ハミルトンと僅差のタイムを出し、しばしば彼を超えることもある。ボッタスとメルセデスの契約は今季末までとなる可能性が高いとみられている。ノリスのチームメイトとしてボッタスを走らせれば、マクラーレン首脳陣は、ノリスの価値をより客観的に評価することができるだろう。


 ラッセルとの契約はチーム内に問題を引き起こす可能性がある。ラッセルがマクラーレンで圧倒的な強さを見せてノリスをしのぎ、あっという間にメルセデスへと去っていった場合、その後のノリスとマクラーレンの関係性は以前とは異なるものになってしまうかもしれない。

ダニエル・リカルド(マクラーレン)とジョージ・ラッセル(ウイリアムズ)

 ボッタスは早い段階で来季以降の契約を結ぶことを望んでいる。移籍する場合の有力な選択肢としては、アルファロメオがあり、同チームは3年契約を提示しているといわれる。


 もちろん、マクラーレンにとって一番望ましいのは、リカルドが後半戦の早い段階で実力を発揮できるようになることだ。彼はここまでのキャリアのなかで、セバスチャン・ベッテル、マックス・フェルスタッペン、エステバン・オコンという優れたチームメイトを相手に、見事な成績を挙げてきた素晴らしいドライバーだ。リカルドにとっては、今後の3戦から5戦のうちに本来のパフォーマンスを取り戻すことが重要になるだろう。後半戦のスタートに向けて、リカルドには大きなプレッシャーがかかっている。

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