ヤマハのテストライダー、カル・クラッチローが語るYZR-M1に必要な改善点/MotoGP第14戦日本GP

2023年9月28日(木)16時48分 AUTOSPORT web

 9月29日〜10月1日に栃木県のモビリティリゾートもてぎで開催される2023MotoGP第14戦日本GPにカル・クラッチロー(YAMALUBE RS4GP Racing Team)がワイルドカード参戦をする。そんな彼が、レースウイーク前の28日にワイルドカード参戦の意気込みとヤマハYZR-M1の現状について語った。


 ヤマハのテストライダーを務めているクラッチローは、昨シーズン途中で引退したアンドレア・ドヴィツィオーゾの後任で2022年最終戦バレンシアGPまで戦ったが、2023年にレースをするのは日本GPが初めてだ。


「バイクに乗るのはいつだって楽しいけど、レースをするのは難しいと思う。11カ月間レースに出ていなかったからね」と話し出したクラッチロー。


「テストには満足していたけれど、『ワイルドカードで出るか』と言われたときにはやる必要があった。テストが足りていないから。サーキットでの走行時間を増やす必要があり、今回はそのチャンスだった。もう少しテストができるのはいいことだと思う」

2023MotoGP:モビリティリゾートもてぎでプライベートテストを行ったカル・クラッチロー(YAMALUBE RS4GP Racing Team)


 8月には鈴鹿8耐に来場し、その後にもてぎに移動してMotoGPマシンでプライベートテストを実施しているクラッチロー。その時の様子は「路面コンディションが悪かった。朝の10時にはすでに路面温度が58度で、67度まで上がったよ。路面コンディションが悪いとヤマハは本当に苦労するんだ」と語った。


「その部分を改善できれば、いいけど難しいんだ。ひとりだと難しい。今年のテストはほぼ毎回、ひとりだったんだ。だから参考にしてもらうのはいつも難しい。自分の走りには満足しているけど、明らかに開発プロセスには満足していない」


 ヤマハとしては、今季は第3戦アメリカズGPと第13戦インドGPでファビオ・クアルタラロが3位表彰台を獲得しているが、2年前はチャンピオン獲得、昨年はチャンピオン争いをしていることを考えれば、苦戦している状況だ。


 クラッチローはテストライダーとして「今のところ、我々はあるべき形で開発できていない。周知のとおり、新しいエンジンをテストしているが、方向性は正しいと思うけど、我々が求めているステップとは違う。問題は、エアロに重点を置きすぎていることだと僕は思う」と開発プロセスについての課題を説明した。


「エアロを改善する前に、他の部分を改善する必要があるんだ。なぜなら、ノーマルフェアリングのエアロなしのほうがエアロありよりも速くこのコースを走れると思っているからだ。だから僕たちはマシンを理解し、よりスムーズにする必要がある」


「ヤマハはそれを理解しているし、テストチームはとてもよく機能している。僕たちはいい形で仕事をしているし、彼らは耳を傾けてくれるが、問題は“行動”だ。僕たちには行動が必要で、彼らは何をもたらすべきかを理解する必要がある」


「そして、彼らが理解していると信じているが、それを実行するかどうかは、現時点では別の話だ。なぜなら、より良い方法で前進するためのポイントにならなければならないからだ」


「我々が取り組むべき3つの重要な領域は、エンジンと電子制御のふたつ、そしてエアロは僕のプロローグでは完全に最後だ。このバイクは他のメーカーとは違う。もっと速いエンジンを作る必要があるが、もっとスムーズなエンジンを作る必要がある」


「ファビオ(・クアルタラロ)とフランコ(・モルビデリ)がこのエンジンを選んだが、本当にアグレッシブでグリップが得られないという問題を抱えている。いずれにせよ、僕たちは同じコメントをしているが、僕はテストライダーで、彼らはレーサーだ。彼らはできるだけ速く走りたいし、僕は彼らができるだけ速く走れるようにマシンを改良したい。彼らは今欲しいものがあるんだ」


「ファビオには、アレックス(・リンス)とともに来シーズンをスタートさせるチャンスがあると確信している。ヤマハがテストに持ち込んでくれれば、我々はそれを確認し、評価することができる」


 今週末はヤマハから3人のライダーが走る。この機会を使って来年に向けての進化の種を見つけられるだろうか。

2023MotoGP:モビリティリゾートもてぎでプライベートテストを行ったカル・クラッチロー(YAMALUBE RS4GP Racing Team)

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