ミツビシ、未来のデリカをイメージした『D:Xコンセプト』を世界初公開。日本仕様のトライトンも初披露

　10月25日、三菱自動車はジャパンモビリティショー2023においてプレスカンファレンスを実施。この中で電動クロスオーバーMPV『MITSUBISHI D：X Concept（ミツビシ・ディーエックス コンセプト）』を世界初披露した。また、会場の東京ビッグサイトでは2024年初頭に発売予定である新型ピックアップトラック『ミツビシ・トライトン』の日本仕様プロトタイプも国内初披露されている。

　現行の『デリカD：5』を思わせる名称で登場したD：Xコンセプト。この名は「discover（発見する）」と“D”と「experience（経験）」の“X”からきたものだが、車両コンセプトは“未来の『デリカ』をイメージ”したものであると明らかにされた。

　そのデザインは「絶対安全大空間×絶対走破性」をコンセプトに、デリカの特長である広い室内空間と高い安全性を継承するとともに、キャビンを守るプロテクティブボディと堅牢なDピラーによってたくましさが表現されている。

　また、張り出したオーバーフェンダーと大径タイヤは力強さを表現し、前後スキッドプレートとサイドステッププロテクターを装備することで、荒れた路面でも安全・安心に走行できる高い走破性を実現する。

　フロントではミツビシらしさを表現する“ダイナミックシールド”がさらなる進化を遂げプロテクト感が高められた。ヘッドライトには特徴的なTシェイプランプにプロジェクションレーザーライトが採用され、ワイドな印象に。このライトは路肩を照らす光によって道幅を的確に把握し、狭い道路でも安心して走行できるというメリットもある。

　インテリアでは乗員すべてがゆったりと過ごせるスペースが確保され、すべてのシートに上下動させることで体格に合わせた見晴らしの良い着座位置に設定することができるパノラミックシートが採用された。

　運転席ではこれに加えて解放感のある広々とした視界をもたらすフロントウインドウとシースルーボンネットにより、今までにない宙に浮いたような運転体験を可能とする“エアリアルコックピット”を実現。シースルーボンネットには、前方の路面状況とフロントタイヤの切れ角などを組み合わせて表示する機能も備わるという。

　D：Xコンセプトは快適な移動空間を実現するため、オーディオもこだわり抜かれた。ヤマハとの協業により多数のスピーカーをヘッドレストや車体の適所に配置し、広い室内空間でこれまで経験したことのない高い没入感が体感できる新世代のオーディオシステムが採用されているのだ。

　ミツビシが誇る優れた四輪制御技術“S-AWC”を搭載する電動4WDシステムは、同社が得意とするプラグインハイブリッドによって構成される。現行ラインアップでは『アウトランダー』と『エクリプス クロス』に採用されているプラグインハイブリッドEV（PHEV）システムは、日常のほとんどの走行をEVとして利用することができ、遠出時にはハイブリッド走行によってバッテリー残量を気にすることなく行動範囲を広げることができる。D：XコンセプトはこのPHEVシステムを採用するともに、未舗装路や積雪路などの悪路にも対応するさまざまな走行モードを選択することで、どんな冒険にも対応可能としている。

　ジャパンプレミアされた新型『トライトン』の日本仕様プロトタイプは、ピックアップトラックならではの高い堅牢性とSUV並みの快適性と操縦安定性を両立したモデルだ。トライトンの日本導入は12年ぶり。

　フレームやシャシー、2.4リットル・クリーンディーゼルエンジンになど、すべてが一新された新型モデルの日本導入モデルは2列シートの“ダブルキャブ”のみ設定となり、予定価格帯は498万〜540万円（税込）となることが明らかにされている。