「僕は一生引きずる」痛恨の退場となったNZ代表の闘将ケーンが漏らした悔い「チームを誇りに思うからつらい」【ラグビーW杯】

2023年10月29日(日)14時11分 ココカラネクスト

優勝トロフィーを横目に、表彰台から降りるケーン。その表情はうつろだ。(C)Getty Images

 まさかの退場劇だった。

 現地10月28日、ラグビーワールドカップ・フランス大会の決勝が行なわれ、南アフリカが12-11でニュージーランドを撃破。大接戦を制したアフリカの雄が連覇を達成するとともに、大会最多4度目の世界制覇を飾った。

【画像】本当に退場か? ラグビーNZ主将のレッドカードシーン

 まさに死闘と呼ぶにふさわしい至高の勝負。その流れを大きく変えたのは、29分のワンプレーだった。

 8万人超の会場が騒然となった。3-9と6点を追っていたニュージーランドは、主将でFLのサム・ケーンがジェシー・クリエルの頭部へ危険なタックルをしてしまう。当初、イエローカードを提示されたプレーだったが、直後の映像分析の末にレッドカードへ引き上げ。オールブラックス(ラグビーニュージーランド代表の愛称)は精神的支柱を早々に失った。

 後半に猛反撃を見せたニュージーランドは、FBボーデン・バレットのトライで1点差と迫るも押しきれず。8年ぶりの世界一とはならなかった。

 W杯決勝初のレッドカードを受け、数的不利の状況を生み出してしまったケーン。試合後に英公共放送『BBC』などの取材に応じた31歳は「この結果にとてもがっかりしている。チームは50分あまりの時間を14人で戦わなければいけなかった」と己を責めた。

「この大会で2か月を過ごしてきたから、頭部付近(タックルなど)には何かしらの結果があるのは分かっていた。判定が正しいか、間違っているかをこの場で話すつもりはない。もう変わらないことでもある。ただ、残念ながら、僕は一生引きずることになるだろう」

 悔恨の念を口にした闘将は、「今はとても傷ついている」とも吐露。そのうえで「自分の感情を説明する言葉を見つけるのは難しい。とてもつらいと感じると同時に、チームが反撃したことを誇りに思うからだ。だから余計につらいんだ」と南アフリカとの激闘を演じたチームを称えた。

「この試合は本当に勝つチャンスがあったと思う。その事実がグループの良さを物語っていると思う。彼らはオールブラックスのためにプレーし、ニュージーランドを誇りに思うことをとても大切にする素晴らしい集団だった」

 最後も「つらいよ」と漏らしたケーン。チームをファイナルまで力強く支えてきただけに、悔やんでも悔やみきれないプレーとなった。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]


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