ヤ軍GMの発言が波紋! 山本由伸の代理人も不快感を示し、米メディアでも批判続々「自分の足を撃つようなもの」

2023年11月15日(水)18時0分 ココカラネクスト

ヤンキースの強化を取り仕切るキャッシュマンGM。彼が放った発言が波紋を広げている。(C)Getty Images

 メジャーリーグの盟主ヤンキース。来季に捲土重来を期する名門だが、幹部の放った“皮肉”が波紋を呼んでいる。

 物議を醸したのは、今月8日に開催されたGM会議でのブライアン・キャッシュマンGMの発言だ。地元紙『New York Daily News』によると、チームの主力であるジャンカルロ・スタントンについて意見を求められた際に、「怪我をしている期間を短くしたい。でも彼は毎試合プレーするとは言わない。なぜなら、そうならないからだ。また怪我をする可能性の方が、(怪我を)しない可能性より高い。(怪我をすることを)含めて彼なんだ」と皮肉を口にした。

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 現在、2014年オフにマーリンズと結んだ13年総額3億2500万ドル(約489億円)の巨額契約のもとでプレーするスタントン。しかし、2018年にヤンキースへトレードで加入して以降は、ほぼ毎年のように故障続き。過去2年で出場試合数は211にとどまっており、高給に見合わないパフォーマンスを繰り返している。

 チームにも影響を及ぼしている主砲にキャッシュマンGMは、思わず“本音”を漏らしてしまった形だろう。ただ、公の場で不満をこぼす行為は業界内で波紋を広げた。スタントンの代理人で、今オフにオリックスからメジャー移籍を目指す山本由伸の担当も務めるジョエル・ウルフ氏は、米メディア『The Athletic』の取材で「コメントは全て読んだ」とし、こう続けている。

「これは国内も海外も含めヤンキースと契約を考えているすべてのフリーエージェント選手が、自分をしっかりと守らなければいけないということを示してくれている。あそこでプレーするのは、肉体的にも、精神的にもタフだ。たとえオフになったとしても決して油断はできないんだ」

 このウルフ氏のコメントを受け、識者たちもこぞって反応。ヤンキースが獲得に本腰を入れているとされる山本の去就をふまえ、キャッシュマンGMの言動を痛烈に批判している。

 元アスレチックスのダラス・ブレイデン氏は自身のX(旧ツイッター)で「『ヤンキース道』なんてものがいまだにあるのか? だとしたら、これはなんだ?」と強調。「格式ある『ピンストライプのプライド』の劣化が目の前で起こっている。数々の神話と神秘性は、古い球場に残された亡霊たちとともに死んだ。これは何だ?」とキャッシュマンGMの発言を辛辣に皮肉っている。

 また、米野球専門サイト『Fan Nation』は「スタントンとキャッシュマンの間に生じたドラマは、有力候補の一角だったヤンキースのヤマモト獲得をより複雑にするかもしれない」と指摘。「スタントンの代理人であるウルフ氏はヤマモトも顧客に抱えている。それだけに今回の発言は、他球団を助け、自分の足を撃つようなものだった」と懸念を示した。

 23年シーズンもスタントンは101試合の出場で、打率.191、出塁率.275、OPS.695と低迷。それでありながら、あと5年も契約を残している。ゆえにキャッシュマンGMが苛立ちも致し方ない面はある。

 それでもメディアを通して、「彼のテレビゲームの一部のようだ」と選手を“口撃”するのはまずい。仮に山本獲得に影響が及んだとすれば、日本までスカウティングに訪れたキャッシュマンGMにとって、悔やみきれない発言となりそうだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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