WorldRX:2021年に新型『プロトン・アイリスRXスーパーカー』参戦。暫定カレンダーも発表

2020年12月21日(月)17時4分 AUTOSPORT web

 2021年のEuroRX欧州ラリークロス選手権を軸に、数戦のWorldRX世界ラリークロス選手権イベントに向け、アイルランド出身のオリー・オドノヴァンが新型モデルの投入を発表。R5規定モデルとして実績を積んできた、マレーシアのプロトン・アイリスをベースとした『プロトン・アイリスRXスーパーカー』を開発し、プロトン・ブランドがWorldRXに初登場することが決まった。


 オドノヴァンの所属するチームRXレーシングは、長年の協力関係にあるTony Bardy Motorsport(トニー・バーディ・モータースポーツ)とともに、R5規定ラリーカーの開発を担ってきたMellors Elliot Motorsport(メラーズ・エリオット・モータースポーツ/MEM)とコラボレーションし、既存のR5カーをベースとしたまったく新しいRXスーパーカーの製造に乗り出した。


「今日はチーム全体にとって非常にエキサイティングな日だ。もっともイージーな選択肢は、すでに存在するマシンから数台をチョイスして購入の打診をすることだったが、個人的にほかとは違うことをしたかったんだ」と、新型モデル開発の狙いを語ったEuroRX表彰台経験者のオドノヴァン。


「僕はトニー(・バーディ)と長いあいだともに仕事をしてきたが、彼はこの業界におけるベストな人材のひとりだ。彼のラリークロスでの経験と、僕らが提携をまとめたMEMの専門知識を融合することで、とても有望な展開が期待できる」と続けるオドノヴァン。


「このマシンは主にアジア・オセアニア地区で成功を収めたアイリスR5をベースとしているが、その中身は完全新作のRX規定マシンになる。最初のロールアウトを考える前にやるべきことがたくさんあるが、テストでステアリングを握り、世界最高のラリークロス・トラックでレースを戦うのが待ちきれない気分だよ」


 現在、この新型モデルはイギリスのMEMで製作が続けられているが、プロトン・モータースポーツチームの代表を務めるクリス・メラーズは「最初にアイリスR5を製造したときから、いつかはラリークロスに参戦したいと考えていたから、マシンの一部の領域では最初から少しオーバースペックな設計を採用していた」と、RXスーパーカーへの転用にも自信を見せる。

R5規定ラリーカーの開発を担ってきたMellors Elliot Motorsport(メラーズ・エリオット・モータースポーツ/MEM)は、テストにマーカス・グロンホルムを起用したことでも話題となった
「最初にアイリスR5を製造したときから、いつかはラリークロスに参戦したいと考えていた」と、Proton Motorsport Team代表のクリス・メラーズ


■2021年シーズンは5月〜11月にかけて全10戦を予定


「オリー(・オドノヴァン)とトニー(・バーディ)はどちらもラリークロスの経験が豊富で、このプロジェクトで協力体制を敷き、ともに何ができるかを見るのは本当にワクワクする素晴らしい経験になるだろうね」と期待を語るメラーズ。


「アイリスの全長は非常に短いが、そのホイールベースはこのクラスでも最長の部類に入る。ベース車の時点から非常に長いサスペンショントラベル量が確保され、素晴らしいフロントジオメトリーを持っているんだ」


「それゆえにフロント側のセットアップ調整に余裕があり、ラリークロスのセットアップに最適なスペシャルコンポーネントをいくつか作る必要があるものの、それも難しい作業ではないだろう。我々は勝利を望んでいるし、それこそがこのプロジェクトの目標だ」


 一方、チームのオペレーションを担うトニー・バーディも、チームRXレーシングがより多くのファンからの衆目を集めるため、この新型マシンを開発するチャレンジを決断したことを明かした。


「我々は選手権でさらに前進すべく、実績あるほかのマシンを走らせる計画を立てていたが、オリーはほかのドライバーとおなじになることを良しとしなかった。彼はほかとは何か違うことをしたかったんだ」と語ったバーディ。


「その方向性について熟慮を重ねたが、全く新規で開発するには長い期間が必要だ。そこで思いついたのがMEMの存在だ。彼らは古くから知る仲であり、アイリスもほかとは非常に異なる個性を持っている。そこから『プロトン・アイリスRXスーパーカー』を仕立てるという判断に、そう時間は掛からなかったよ」


 その2021年WorldRXシーズンに向け、FIAは12月16日に開催されたWMSC(World Motor Sport Council/世界モータースポーツ評議会)で暫定カレンダーを採択し、5月下旬から11月にかけての全10戦のスケジュールを承認。欧州域内で8戦、中東・アジア地域で1戦、そしてアフリカ大陸での1戦が計画されている。


 このうち、旧スーパーカーとなるRX1クラスのEuroRXは欧州イベントの5戦で併催され、ベルギー、フィンランド、スウェーデン、スペイン、フランスのいずれかのイベントで、新型『プロトン・アイリスRXスーパーカー』のWorldRX参戦が実現する形となりそうだ。

プロトン・アイリスR5をベースに、600PS級のRXスーパーカーへと生まれ変わる
FIAは12月16日に開催されたWMSC(世界モータースポーツ評議会)で暫定カレンダーを採択し、5月下旬から11月にかけての全10戦のスケジュールを承認した


■WorldRX世界ラリークロス選手権2021年暫定カレンダー


ラウンド 開催日 開催地
Rd.1 5月22〜23日 ベルギー/スパ・フランコルシャン
Rd.2 6月12〜13日 ノルウェー/ヘル
Rd.3 6月19〜20日 フィンランド/コウボラ
Rd.4 7月3〜4日 フィンランド/ホーリエス
Rd.5 7月24〜25日 スペイン/バルセロナ
Rd.6 7月31〜8月1日 ドイツ/ニュルブルクリンク
Rd.7 8月21〜22日 TBA(ヨーロッパ)
Rd.8 9月4〜5日 フランス/ロエアック
Rd.9 10月15〜16日 TBA(中東・アジア)
Rd.10 11月27〜28日 南アフリカ/キラーニー

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