【阪南大高】“四拍子”揃う主役候補、まず選手権初勝利を 注目は強烈2トップ<第100回高校選手権>

2021年12月24日(金)22時51分 サッカーキング

阪南大高FW鈴木章斗 [写真]=Getty Images

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 “激戦区”大阪の中でも阪南大高の力は非常に高い。今年の看板は178センチのエースである鈴木章斗(3年、湘南ベルマーレ内定)と石川己純(3年)の強烈な2トップだ。鈴木はフィジカルコントロールがずば抜けて高く、ロングボールもライナーのボールも打点の高いヘディングやコントロール、相手DFの懐に入りながらの前へのトラップなど、多彩な動きと技術を駆使して前線で起点となる。

 その動きに絶妙なタイミングで連動するのが石川だ。お手本だと言う古橋亨梧(セルティック)のようにスペースを見つけてスピードアップしたり、鈴木のボールの受け方を見て、サポート、裏抜け、中継に入る…と瞬時に適切な選択を判断できる。

 2人の動きが噛み合った時、阪南大高は凄まじい破壊力を見せる。それだけに大きなポイントになるのが、この2人にどのように良質なボールを供給するかだが、今年のチームはそれを可能とする選手たちが揃っている。

 183センチのGK山形慈温(3年)はボールをキャッチした瞬間に前線の動きを捉え、強烈なキックで配球する。183センチのCB西田祐悟(3年)は両足のキックを得意とし、グラウンダーのパスと背後を狙うキックで幅広い球種を蹴り分けてくる。ボランチの櫻井文陽(3年)は高精度な右足を持ち、相手のタイミングを外したスルーパスやメッセージ性溢れるパスを供給する。

 攻撃力の凄まじさはプリンスリーグ関西、選手権予選でも実証済み。プリンス関西では18試合で36得点を叩き出して2位に輝くと、予選では5試合で14得点をマーク。プレミアリーグ参入戦では1回戦で北海道コンサドーレ札幌U−18を相手に3−1の勝利。続く決定戦では川崎フロンターレU−18の前に後半3点を決められて0−3で敗れたが、前半は鈴木と石川の2トップを軸に、川崎ゴールに迫るシーンも多く見られた。

 高さ、強さ、速さ、うまさと“四拍子”が揃った今年の阪南大高。やはり最大のカギになるのは鈴木の存在感だ。

「後ろがいいボールをくれるので、僕はもっといろんな形で収めてゴールにつなげることを意識しています。それに周りもきちんとサポートをしてくれるので、前線でポストプレーをするだけではなく、得意のドリブル突破も出せるので、全国では自分の形をどんどん出して行きたいです」

 プリンス関西王者の履正社との府予選決勝、プレミア参入戦1回戦でも2ゴールずつ叩き出した絶対的エースは、最初で最後の冬に向かってその牙を研ぎ澄ませている。そして周りのチームメイトもまた彼の長所を引き出す準備を着実に進めている。

 間違いなく全国でもトップクラスの力を有する彼らは、6年ぶり2回目となる今大会で初の選手権勝利だけでなく、大会の主役になれる可能性が十分にある。

取材・文=安藤隆人

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