予知夢で歴史が動いた12の出来事を紹介! あの偉人も英雄も…

2023年1月10日(火)7時0分 tocana

 夢は古くから深層心理を反映すると信じられており、年始に見た夢でその年の運勢を占う「初夢」の風習は室町時代に始まったものだという。さらには、予知夢の存在や夢で見たお告げに従った結果、成功を収めたといった逸話も世界各国で語られている。古代エジプトのファラオの夢に登場したスフィンクスをはじめ、歴史を動かした数々の予知夢を紹介する。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


※こちらの記事は2015年1月22日の記事を再掲しています。


 2015年が始まり、はや3週間が過ぎようとしている。突然だが、読者のみなさんは、どのような初夢をご覧になっただろう。初夢によってその年の運勢を占う風習は、室町時代に始まったものらしい。俗に縁起の良い夢として、「一富士二鷹三茄子」と言われるが、じつはこの後にも「四扇五タバコ六座頭」と続くことはあまり知られていない。地方によっては、火事やトイレ、葬式、ヘビの夢が縁起が良いとされる場合もある。


 さて世界に目を向けると、夢で未来の出来事を知ろうとする試みは、広く古今東西に見られるようだ。実際、夢で将来を予言したり、夢のお告げで成功したという逸話が数多く伝えられている。今回は、それらのうち代表的なものを厳選して紹介しよう。


夢に出てきたスフィンクス

 古代エジプト第18王朝のファラオ、トトメス4世にもスフィンクスにまつわる夢の話が残されている。


 トトメス4世には兄がおり、王位はその兄が継承するものと決まっていたのだが、あるとき狩に出かけた彼は、ほとんど砂に埋もれて頭だけ出ていたスフィンクスの陰で居眠りしてしまう。その時の夢にスフィンクスが現れ、


「自分を覆っている砂を取り払ってくれたら王にしてやる」


と述べる。そしてトトメス4世がそのお告げの通りにしたところ、兄を差し置いてファラオに即位することができたという。彼は即位後、この夢の話を碑文に刻み、スフィンクスの両足の間に設置した。


アレクサンドロス大王の快進撃の裏にも……

 古代世界最大の英雄である、マケドニアのアレクサンドロス大王についても、夢にまつわる話がいくつも伝えられている。まず彼の出生に関するものとして、父・フィリッポス2世が見た夢の逸話がある。


 フィリッポス2世は、妃オリュンピアスと結婚後しばらくして、獅子の彫刻をもって妻の腹の上に封印をする夢を見た。お抱えの夢占い師・アリスタンドロスはこれを、后が身ごもっており、子は獅子のように勇ましい性質を持っていると解釈。こうして生を受けたアレクサンドロス大王のその後の活躍は、よくご存知のとおりである。


 まずはギリシャ全土を征服、次に当時世界最大の帝国であったペルシャ遠征に乗り出したアレクサンドロス大王。その途上、彼の軍は現在のレバノンにあるテュロスを攻略しようとしたが、海上の要塞島に築かれたこの都市国家をなかなか攻略できずにいた。


 島を包囲して7カ月ほどが過ぎたとき、アレクサンドロス大王はギリシャ神話の半神(神と人の間に生まれた存在)サテュロスの夢を見た。夢占い師アリスタンドロスはこれを、ギリシャ語で“sa Tyros(あなたのテュロス)”と解釈し、テュロス陥落の前兆とした。果たしてテュロスは、この夢の直後に陥落するのである。


他にも歴史を動かした予知夢が!

 後の時代でも、夢で何かを発見したり、未来を予知した例は数知れない。


・ 悪魔から教えてもらった曲(イタリア)
 イタリアの作曲家タルティーニは、夢の中で悪魔が奏する曲を聴き、代表作「悪魔のトリル」を作曲した。


・ 化学者のひらめき(ドイツ)
 ドイツの化学者ケクレは、夢の中に現われたヘビが、自分の尻尾をくわえて輪になったことで、現在化学式で広く用いられている六角形の「ベンゼン環」を思いついたと述べている。


・ ユングと第一次世界大戦(スイス)
 心理学者のカール・グスタフ・ユングが1913年の秋頃から、大洪水で辺り一面が血の海となり、無数の死体が浮いている夢を繰り返し見たところ、翌年に第一次世界大戦が始まったという。


・ 大惨事の前兆(イギリス)
 1966年10月21日、イギリスのアバーファンで、崩れたボタ山が小学校を飲み込み、大人16人、子ども128人が死亡する大惨事が起きた。その後、日刊紙が事件の予兆を感じた人物を募ったところ、予知夢を見たり、予感を感じたという約200件もの回答がイギリス中から寄せられたという。


・ 作家の秘密(イギリス)
『ジキル博士とハイド氏』や『宝島』で知られるイギリスの作家ロバート・ルイス・スティーブンソンは、自分が見た夢の内容を基にして小説を書いていたという。


・ 散弾のヒント(イギリス)
 イギリスの発明家ジェームズ・ワットは、雨が降る夢を見て「散弾」の製法を思いついたという。


・ 名曲『イエスタデイ』
 ビートルズの名曲『イエスタデイ』についてポール・マッカートニーは、「夢の中でメロディが浮かんだ」と証言している。しかも彼は当初、「これは誰の曲だっけ?」と周囲に聞いて回ったというが、もちろん知る人などいるはずもなく、自身のオリジナル曲であることを認識したという。


 もちろん日本にも、似たような話はいくつもある。


・ 参謀の白昼夢
 日露戦争中最大の海戦となった日本海海戦では、参謀の秋山真之が、一種の白昼夢で所在不明のバルチック艦隊の進路を特定したと言われている。つまり予知夢が、日露戦争という国難に直面した日本を救ったことになる。


・ 童子の一言
『太平記』には、元弘元年(1331年)8月、後醍醐天皇が京都と奈良の県境となる笠置山に一時退避していたときに見た夢の話が記されている。夢の中で美しい童子が現れ、「あなたのお座席は、南向きのあの立派な大樹の下に御座います」と言った。目を覚ました天皇は、「南向きの木」をすなわち「楠」と解釈し、近くに住んでいた武将・楠木正成を取り立てたという。


・ 毛利家の刀
 戦国武将の毛利元就が、まだ中国地方の国人領主に過ぎなかった頃、伝来の刀が折れる夢を見た。すると側近の琵琶法師は、「刀が3つになれば『刕』(州の異体字)、つまり国の意味になります。これは、元就様が一国を支配するという夢です」と述べたという。周知のとおり、元就はその後、中国地方随一の武将となった。


 こうした各種の予知夢については、超心理学的な説明がなされることが多い。しかし、必ずしも関連付けられていない個々の情報が、潜在意識下で偶然結びつき、夢として現れてくるという説明も可能だろう。あなたが日頃見ている夢も、自らの潜在意識に問いかけるように分析すれば、さまざまなヒントを得ることができるのかもしれないが……。いずれにしても、夢にはまだまだ解明しきれていない謎が残されている。

tocana

「あの」をもっと詳しく

「あの」のニュース

「あの」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ