愛あふれる子宝と長寿 徳之島の旅 【あなたをエスコート 幸せになる旅コラム#15】

2024年1月17日(水)11時0分 OVO[オーヴォ]

 某金融業のテレビコマーシャルのセリフみたいですが、「そこに愛はありますか?」 鹿児島県の徳之島は、厚生労働省が公表している合計特殊出生率で常に上位にランキングされています。ギネスブックに長寿世界一と認定された泉重千代さん(享年120歳)は徳之島の方です。高齢者のまわりに、たくさんの子どもたちがいる島。愛があふれていますよね。

 北の奄美大島から南の与論島までの島々を奄美群島と呼びます。その真ん中に位置するのが徳之島です。徳之島空港へは、鹿児島空港、奄美大島空港、沖永良部空港から向かうことができますが、いずれも鹿児島県内での移動なので、国内線どころか県内線での飛行機旅です。

 空港からレンタカーを借り、島を1周しましょう。山手線の約3倍、90㎞ほどなので、急いで回れば2時間半程度のドライブです。まずは空港からほど近い、隆起サンゴ礁が長年の浸食により変化に富んだ景観を生んだという犬の門蓋(いんのじょうふた)を見学。

 犬の門蓋から車ですぐのところには、ウンブキと呼ばれる日本最大級の水中鍾乳洞もあります。潮の干満で水位が変化することから、海につながっているらしいのですが、現在調査が進んでいるのは直線距離にして700mほど。まだまだ謎が多い神秘の鍾乳洞なのです。

 徳之島において見るべき自然は海だけではありません。ウンブキから北上すると、金見集落では群生するソテツが作り出した200mにもおよぶトンネルをくぐることができます。また、島南部の阿権集落には精霊が宿るといわれる樹齢300年のガジュマルもあります。

 徳之島といえば、なんといっても約500年の歴史があるといわれる闘牛です。コロッセオのような闘牛場で開催される全島大会は、島中が大きく盛り上がるそうです。

 島内には7カ所の闘牛場がありますが、今回は「徳之島なくさみ館」を訪ねました。「なくさみ」とはなぐさめるという意味で、闘牛が開かれる農閑期になったら、1年の疲れをお互いに慰労することから、その名がついたそうです。

 奄美群島の代表的な郷土料理は、鶏肉、錦糸玉子、シイタケ、パパイヤの漬物などを白米にのせ、地鶏のスープをかけて食べる「鶏飯」ですが、私がオススメしたいのは、徳之島産黒糖と黒糖焼酎でじっくりと煮込み、最後にオーブンで炙ったという「豚なんこつ炙り」です。とろっとろの食感に幸福度が高まります。島の焼酎が進んで、愛に満ちあふれた夜になりますよ。

【旅人略歴】

エスコートK…数十年前、旅程管理主任者の1期生として、国内外のツアーをエスコート。現在は生活情報誌の編集長だが、旅の取材だけは自らのカメラを手に、こっそりとデスクを離れ出掛けている。

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