核戦争後の“核の冬”を生き残る国々はどこ?

2025年1月25日(土)7時0分 tocana


 核戦争が勃発した場合、どの国が生き残れるのか? ニュージーランド・オタゴ大学の研究チームは、農業を維持できる能力を中心に、さまざまなリスクを評価し、どの国が最も生存の可能性を持つかを特定した。


核戦争後の最大の課題:核の冬

 核戦争後の最大の課題の一つは、大規模爆発による灰の雲が太陽光を遮る「核の冬」に耐えることだ。日照不足による農業生産への影響が甚大であると予測されている。特に、ロシアとNATO間での大規模核戦争が発生した場合、150テラグラムものすすが大気中に放出される可能性があるという。このすすは世界的な農業生産を80%減少させ、北半球では数年以内に農業が完全に崩壊する恐れがある。


生存が期待される国々

 島嶼国と半島国家が特に有利な条件を持つとされている。以下は生存可能性が高いとされる国々である。


■ニュージーランド
 ニュージーランドは、強固な食料供給力と地理的優位性により、核の冬を生き残れる可能性が高い。しかし、貿易依存度の高さやエネルギー輸入のリスクが課題である。さらに、気温が1度低下するだけで霜が観測される日数が15〜50日増加する可能性がある。


■オーストラリア
 オーストラリアは食料生産能力が過剰にある点で安全とされる。しかし、その安全性は、同国が核戦争の標的にならない場合に限られる。


■アイスランド
 アイスランドは地理的に有利で、ヨーロッパ大陸に比べて気候への影響が小さい。豊富な水力発電、農業の技術力、そして魚の資源が同国の強みである。しかし、NATO加盟国であるため、標的になる可能性もある。


■ソロモン諸島とバヌアツ
 これらの南太平洋諸国は、地理的な位置と熱帯気候により食料生産が可能である。ただし、津波やエネルギー危機といったリスクを抱える。


その他の生存可能性のある国々

 サバイバル専門家のアレックス・レイバ氏は、さらにいくつかの国を挙げている。


 カナダは広大な領土と分散した人口を強みとし、ノルウェーは少ない人口と孤立性が有利に働くとされている。また、スウェーデン、グリーンランド(デンマーク)、フィジー諸島、ネパール、スリランカなども候補に挙げられており、これらの国々は地理的孤立性、政治的安定性、復興能力の観点から、核戦争後の生存可能性が高いと評価されている。


 残念ながら日本はこれらの条件において厳しい状況にあるといえるだろう。人口密度が高く、エネルギーや食糧の多くを輸入に頼る日本は、こうした危機において脆弱性が指摘されている。しかし、いかなる未来が待ち受けているにせよ、平和の維持に向けた国際的な努力と危機への備えが、これまで以上に重要となるだろう。


参考:Soul:Ask、ほか

tocana

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