「駅の階段に大きなキャリーを抱えて立ち止る中年女性2人組。僕が『持って上がりましょうか』と提案すると...」(兵庫県・50代男性)

2024年1月28日(日)12時18分 Jタウンネット

シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者Mさん(兵庫県・50代男性)

Mさんは青春18きっぷで旅をしている途中、駅で見かけたのは荷物が重そうな2人組の女性。

手助けをしようと声をかけたら、思いがけないものをもらい......。

<Mさんの体験談>

あれは僕がまだ20代の頃。青春18切符を使って、住んでいる明石市から福岡に旅をした時の話です。

僕は西明石駅発、5時10分発の始発に乗り、岡山に着いたのは6時少し前でした。

重たそうな荷物をもつご婦人をみて...

福岡の天神まで全て鈍行で行くというこだわった計画を立てていたため、広島行きの電車が来るまで数十分ほどありました。

青春18切符は自由に改札を出入りできるため、私は開いている店でもないかと思い、改札を出て少し散策してみることにしました。

すると改札へ登る階段の前で50代くらいのご婦人達がお二人、大きなキャリーケースを抱えて立ち止まっていました。

「あんなに大きなバックじゃあ抱えて上がるのはしんどそうだな」となんとなく思い、

『良かったら上まで持って上がりましょうか?』

とお二人に声をかけさせてもらいました。

細々とした荷物はご自分で持ってもらって、僕はお二人のキャリーケースを両手に持ち、自分の80リットルのボストンバックは肩にかけ、30段以上ある階段をえっちらほっちら登り、階段の上で待つこと数分。

お二人とも登ってきて、丁寧にお礼を言っていただけました。

ご婦人が鞄の中を探りだし...

僕はそれで十分だったのですが、片方のご婦人がバックの中を探り出し、なんとマカデミアンナッツの箱をくれたのです。

恐らくハワイかどこかに行ったお土産でしたでしょうに、かえって気を使わせてしまったようで申し訳ない気持ちでいっぱいでした。

一度はお断りしたのですが、あまり断り続けるのも申し訳ない気がして頂くことにしました。

しかし、目的地の福岡まではまだ11時間ほどかかります。鞄の中に入れて溶けてしまっても、勿体ないしと考えあぐねた末、広島駅行きの電車の中にいた高校生数人に事情を話して、みんなで美味しくいただきました。

旅の醍醐味は「出会い」

その後、福岡に到着したのが18時少し前ぐらい。

晩ご飯にちょうどいい時間だったので、屋台を巡ってお腹いっぱい食べました。

屋台では「兵庫県から鈍行で来た」と言ったら驚かれました。

またその日にあった事も話したら、おじさんが「持ってきてくれたらよかったのに」と笑うので、僕が「おじさんに食べさせるのはもったいない」と笑いながら返すと、今度は女将さんが 「よく言った」とゆで卵を追加してくれました。

旅の醍醐味は、景色や観光地丈ではなく人との関わり。そうした大切さに気づかせてくれた旅でした。一生の思い出に残る出会いをさせて頂きました。

いろんな人と出会いいろんな人と交流し、いろんな思い出と喜びをもらえる旅が大好きです。

50代になった今でも鈍行の旅を続けていますが、いつかまた出会えたら、いつぞやのお礼をしたいと思いながら窓の外の景色を眺めています。

あの時は、こんな若造に親切にしていただいて、本当にありがとうございました。

誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!

Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。

読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度〜)、体験の時期・場所、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。

(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談を編集して掲載しています。あらかじめご了承ください)

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