宇都宮餃子を越えるか!?「浜松餃子」の名店3店の冷凍餃子を食べ比べてみた!
2023年2月15日(水)10時51分 食楽web
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●調査内容:「餃子消費量ランキング」でトップに食い込む浜松。名物「浜松餃子」の3名店の冷凍餃子の味や違いを食べ比べしつつ徹底調査!
ここ数年の「餃子消費量ランキング」で、宇都宮や宮崎に並んびトップに君臨しつつあるのが浜松です。地元には「浜松餃子」の多くの人気店があり、この餃子を楽しむために浜松を訪れる県外の来訪者も増えているそうです。
他方、餃子と言えば白菜、ニラなどの野菜が使われることが多いですが、「浜松餃子」は他県とやや異なり、キャベツ、玉ねぎ、豚肉が使われることが多いのが特徴です。これらの野菜・肉の生産が近隣で盛んだったため、それがそのまま「浜松餃子」の餡に採用されているそうです。
円形にズラリ並べた餃子の上にゆでもやしを乗せるのが、浜松スタイル(食楽web)
また「浜松餃子」のもう一つの特徴は、円形にズラリと並べた構図と、その上に乗せるゆでもやし。餃子を焼き上げることで欠かせないのが「水で蒸す」工程ですが、「浜松餃子」の名店のうち、屋台発祥の店では鉄板を使うことができず、餃子の焼き上げにフライパンが使われていました。このため、フライパンの円形に沿って餃子を出すところが多く、さらにその上に「箸休め」的にゆでもやしを乗せるというものだったそうです。
今回食べ比べる「石松餃子」「いえやす餃子」「(五味八珍の)浜松餃子」
さて、今回はこの「浜松餃子」のうち、サービスエリアや道の駅などで販売される冷凍で販売される名店3種を食べ比べながらご紹介。同じ「浜松餃子」でも、その味わいにはどんな違いがあるのかを探っていきたいと思います。
キャベツの甘みを活かした優しい味わい!元祖「石松餃子」
「石松餃子」1388円(税込)。肉本来の旨みと野菜の相性が抜群!
まずは「浜松餃子」の始祖と言われる「石松餃子」から食べていきます。創業昭和28年に浜松で初めて屋台で餃子を売ったお店で、現在は3代目の方がその味を守り抜いています。初代より守り継がれた秘伝の「つなぎ」によって、豚肉や野菜の旨みが、皮の中に凝縮されているとのこと。
さっそくいただくと、ジューシーながら、あっさりとした口当たりが美味。くどくない一方で、滋味深いような奥ゆかしい味わいです。餃子だけでも十分満足できますが、ご飯のおかずとしても、あるいはお酒のおつまみとしても十分すぎる一品。「元祖・浜松餃子」の味わいが、皮の中にギュッと詰まっているように感じました。
点心作りの知見と「浜松餃子」の伝統によって生まれた「いえやす餃子」
「浜松餃子食べくらべセット」1450円(税込)。パクパク何個でも食べられる餃子!
続いて、『生餃子工房いえやす』の「浜松餃子食べくらべセット」をいただきます。『生餃子工房いえやす』では、点心を作る様々な知見をもとに、伝統的な「浜松餃子」の製法と合わせることで、他店にはない味わいを表現しているとのこと。さらに、「子どもが安心して食べることができる」「シンプルで毎日でも食べられる」「美味しいと笑顔になれる」の3つをコンセプトに掲げ、その素材には徹底したこだわりがあるそうです。
本商品は、野菜たっぷりの「いえやす餃子」、肉たっぷりの「げんこつ肉餃子」を食べ比べられるセットですが、野菜たっぷりの「いえやす餃子」は、野菜の旨みが皮の中全体に広がり、独特の下味のおかげで相応のパンチがあります。また、「げんこつ肉餃子」のほうは、これと対局にあるかのような、肉肉しさがありつつもクセがなく、意外とあっさり。こちらも何個でもパクパクいただける餃子でした。
静岡の中華レストランチェーン『五味八珍』が作った野菜たっぷりの「浜松餃子」
「浜松餃子」1380円(税込)。パリパリした皮でとってもジューシー!
最後は、静岡県を中心に全42店舗を展開する中華レストランチェーン『五味八珍』による「浜松餃子」を紹介します。様々な中華料理の知見を生かしたオリジナルの「浜松餃子」を展開しています。鮮度抜群の素材を味わってもらうため、あえてキャベツなどは粗刻みにしているそうです。
さっそくいただいてみると、「石松餃子」や「いえやす餃子」との違いは、モチモチの皮と、餡の野菜が多めの点。このことで、十分な食べ応えを餃子1個に表現するとともに、野菜の甘みも存分に引き出しています。肉より野菜が多めが好きな方は特に満足できる美味しさで、「石松餃子」「いえやす餃子」とも違う味わいを楽しむことができました。「今日は、餃子でガッツリ満たしたい!」という際には、一番オススメしたい餃子だと思いました。
調査結果:「石松餃子」は別格かも!? 各店「浜松餃子」の形を踏襲しつつ独自の個性で差別化をはかっていた!ここまで「浜松餃子」の3名店の冷凍餃子を食べ比べしました。いずれの「浜松餃子」も優位性が異なりましたが、まず欠かせないのはやっぱり「石松餃子」です。「浜松餃子」の始祖であり、その味わいは各地の餃子の名店と比べても、上位にくるであろう絶品の味わいで、もはや「浜松餃子」というカテゴリー抜きにしても高評価されるべき一品だと思いました。
さらに、細やかな味の設計で「浜松餃子」の繊細な一面を表現している「いえやす餃子」も素晴らしく、特に女性や子どもに食べてほしい味わいでした。また、『五味八珍』も、地元の「浜松餃子」のスタイルを踏襲しつつも、十分な食べごたえを表現しており、これも素晴らしい味わいでした。
このように「浜松餃子」と一口に言っても、味や個性は各店ごとにかなり違うことがわかりました。きっと、地元に多くあるお店を含めれば、さらに多くの絶品餃子に出会えるようにも思います。あなたはどの「浜松餃子」が気になりましたか? ぜひ、あなた好みの一品をチョイスして食べてみてください!
(撮影・文◎中西ふみえ・松田義人)