生理前と生理中、おなかの調子が悪くなるのはなぜ?
2025年2月21日(金)10時7分 マイナビニュース
大正製薬は2月19日、「生理前、生理中のおなかの調子に関する調査」の結果を発表した。調査は2024年10月25日〜10月26日、20歳〜49歳の女性4,812人を対象にインターネットで行われた。
○生理前と生理中におなかの調子が悪くなる女性が多い
調査によると、生理前・生理中におなかの調子が悪くなる人(便秘や下痢になる人)は60.5%いることがわかった。その中でも生理前(1〜2週間前)に便秘になる女性は61.3%、生理中に下痢・軟便になる女性は76.8%いることがわかった。
生理1〜2週間前は便秘になりやすく、生理が始まると下痢・軟便になりやすい人が多く、どちらにも該当する人は、月の半分以上の期間、おなかの調子が悪いということになる。その期間は、おなかの調子が「便秘から下痢へ」まるでジェットコースターのように変化することもあるようだ。
○生理前と生理中のおなかの調子が悪くなる原因は?
ではなぜ生理前と生理中におなかの調子が悪くなるのか。その原因の1つとして、女性ホルモンの影響が考えられている。
女性ホルモンは生理周期によって変動する。生理前にはエストロゲンやプロゲステロンという女性ホルモンが分泌されるが、これらは消化管症状に影響を引き起こす可能性があるとされている。一方で、生理開始時にはプロスタグランジンという物質が分泌され、下痢や軟便を引き起こすとされている。
また、女性ホルモンは腸内フローラに影響を及ぼす可能性も示唆されていることから、腸内フローラを整えることは生理に伴うおなかの不調の対策に効果的であることが期待される。
○生理前と生理中のおなかの不調、どう対処している?
調査の結果、半数以上の人が何かしらの対処をしていた一方で、対処をしていない人のうち、対処したいができていない人が約3人に1人いることがわかった。
ランキング上位に挙がっている対処法について同社が解説している。
○おなかを温める
おなかが冷えると腸の血流や働きが鈍り、便秘や下痢・軟便を引き起こしやすくなる。特に冬はおなかが冷えやすいので、冷え対策がより重要となる。おなかの不調を予防するため、薄手の腹巻きや湯たんぽ、ひざ掛けなどでおなかを守るなど、体を冷やさない工夫が大切。また、玉ねぎや柑橘類、食酢、梅干しなど血流改善効果のある食べ物を積極的に摂ることが推奨される。
○食事を調節する
腸内細菌は、私たちが食事で摂った糖や食物繊維などをエサとして増殖していく。食事で意識したいポイントは、「善玉菌(プロバイオティクス)」を積極的に摂ることと、食物繊維など「善玉菌のエサ(プレバイオティクス)」を摂ること。ヨーグルト、みそ、漬物、キムチなどの発酵食品を積極的に摂ることで、善玉菌の代表である乳酸菌を摂ることができる。また、善玉菌のエサとして、海藻類、納豆などの大豆製品、アボカド、キウイなど水溶性食物繊維を多く含む食品を摂ることも勧められている。
○整腸薬を飲む
整腸薬はおなかの調子を整える薬。善玉菌がしっかりと働き、乱れた「腸内フローラ」を整えることで、軟便にも、便秘にも効果を発揮するという。実は、乳酸菌と共に善玉菌の代表格である「ビフィズス菌」は、酸素があるところでは生育できない菌なので、通常の発酵食品には入っていない。さまざまな種類の乳酸菌やビフィズス菌が含まれている整腸薬が腸内フローラを整え、便秘や軟便を改善する。
○運動をする
自律神経は1日の中でリズムがあり、起床してからは徐々に「交感神経」が、夜間やリラックスしている時は「副交感神経」が優位になる。腸のぜん動運動は、副交感神経が優位になることで活発になるため、切り替えができていないと腸の働きにも影響する可能性も。日中は交感神経が優位になるよう適度に運動し、夜は副交感神経が優位になるようにリラックスする、といったメリハリある生活を心掛けることができる。