ファミリーマート、2025年度のマーケティング戦略を発表 - 大谷翔平が「おむすびアンバサダー」に
2025年2月28日(金)10時48分 マイナビニュース
ファミリーマートは、「2025年度ファミリーマートマーケティング戦略&おむすびキャンペーン発表会」を開催。2024年度に取り組んだ施策の振り返りとともに、2025年度のマーケティング戦略、そして3月4日からの開始となる「おむすびキャンペーン」の概要についての発表を行った。
再成長を実現する3年間を掲げた中期経営計画が2月末でゴールを迎えるにあたり、ファミリマート代表取締役社長の細見研介氏は、「コロナ禍からインフレへと、世界中が激しく変遷する3年間」と振り返りつつ、計画期間の36カ月、さらに期間前から数えて42カ月連続で、既存店日商が前年超えで推移したことを報告する。
そして、「新年度を迎えてもファミリーマートの姿勢は変わらない」という細見氏は、「チャレンジするほうのコンビニ」というスローガン通り、「ますますパワーアップして、『あなたと、コンビに、ファミリーマート』を追求して参りたい」との意気込みを明かした。
また、2025年度から始動する、世界的クリエイターのNIGO氏とのコラボレーションについても、「我々が気付いていないコンビニが持つ可能性とは何なのか、世界中が注目するコンビニに潜在する日本の文化やエスプリはどのように進化するのかなど、多岐にわたるフィールドで協議を重ねながら、協業を行っていきたい」と言及する。
商品面については、「温暖化や円安を背景に食料調達が日々難しくなっている状況」において、「おむすび」に焦点をあて、「米の魅力を強く訴求していきたい」との意向を示し、「現在、米の価格は非常に高く、日本国民の心配する一つの関心事になっている」ことから、「おむすびのキャンペーンはいまだかつてない驚きの企画を準備しました」と自信を覗かせる。
そして最後に、「今後の急激な金利上昇に備えるためにも、アポロ計画、リテールメディア戦略、そしてAIを駆使した個店コンサルを強力に推進し、既存店の収益力向上に加盟店と本部が一丸となって、取り組んでまいりたい」と話し、挨拶を締めくくった。
○ファミリーマートの2025年度マーケティング戦略
続いて、ファミリーマート エグゼクティブ・ディレクター CMO(兼)マーケティング本部長、CCRO(兼)デジタル事業本部長の足立光氏が登壇し、2025年度のマーケティング戦略について発表を行った。
ファミリマートでは、マーケティング方針として、「もっと美味しく」「たのしいオトク」「『あなた』のうれしい」など5つのキーワードを掲げ、それぞれに沿ったキャンペーンなどを矢継ぎ早に行うことによって、「ファミリーマートにわざわざ行く理由をたくさん作る」という足立氏。そして、それらのキャンペーンについて、話題になる尖ったコミュニケーションを制作し、オウンドメディア、アーンドメディア、ペイドメディアなど、すべてのメディアをフルに活用することで「話題化」を促し、結果として「マーケティングだけでなく、商品や営業の変革も含めて、業績はとても好調に推移している」との状況を伝える。
2025年度に関しては、「これまでの方針は大きく変えない」としつつ、「さらに進化させる」という足立氏は、「まずは美味しさで本格感を打ち出していきたい」との意気込みを明かし、3月4日から始まる第一弾のキャンペーンでは、「おむすびで本格的な美味しさを訴求していく」と宣言する。
そのほか、昨年から打ち出されてきた「スイーツのファミマ」については2025年度も継続。カテゴリー横断企画を上期は毎月実施することで、「常に美味しいファミリーマートのスイーツの話題があるようにしていく」という。また、パンやチキン、調理麺などのカテゴリーにおいても、本格的なリニューアルや“絶対美味しいという新商品”が予定されている。
一方、「たのしいオトク」については「特別感」を進化させるという足立氏。昨年までも、業界における増量企画の先駆けとなった「40%増量作戦」や「1個買うと、1個もらえる」、ファミペイでドリンクをまとめて購入するととてもお得になる「ボトルキープ」など、色々なサービスやキャンペーンで、「ファミリーマートはちょっとオトクということを訴求してきた」と振り返りながら、今年度は、来店回数と購入金額によってどんどんオトクになる「ファミマ メンバーズ プログラム」の拡充など、「ファミリーマートで買い物をすればするほどオトクになる仕組みを、特にファミペイのユーザーに対して特別と感じていただけるように強化していく」という。
ファミペイユーザーだけにオトクなサービスとして、「ボトルキープ」をドリンク以外の食品カテゴリにも拡大。さらに、ファミペイユーザーだけの特典として「ファミマ ふるさと納税」がスタートする。
また、「『あなた』のうれしい」については、コラボ、エンタメという両面でさらに進化。昨年までも様々なブランドとのコラボが行われてきたが、2025年度はさらにパワーアップし、驚きの新ブランドとのコラボも予定されているという。「コンビニエンスウェア」においては、市場規模の大きいレディースアイテムを強化するほか、複数のカテゴリを横断したコラボも予定されているという。
「『あなた』のうれしい」において、「いわゆるキャラクターコラボが、ファミリーマートの特徴の一つになってきた」という足立氏。昨年もポケモンやピクミンをはじめ、ドラえもんやスヌーピー、モンハンNowなどとのコラボが実施されたが、「3月には国民的人気キャラクターとのコラボがスタートします」と予告し、「キャラクターだけでなく、人気のアニメやゲームとのコラボもたくさん登場します」と期待感を煽った。
また、大きなトレンドとなりつつある「推し活」についても言及し、ファミリーマートのエンタメ路線強化の一環として、まずは「ファミマプリント」での強力なサポートが実施される。「推し活」の対象は、全国的なキャラクターやコンテンツに限らず、様々な地方、特にその地域で人気のグループやコンテンツ、スポーツチーム、そして個人にまで拡大。ファミマプリントを「推し活」の新しいプラットフォームに進化させていく。
さらに、エンタメ路線の「推し活」強化の一環として、「店舗の聖地化」を促進。全国の様々な店舗やプリンターを、キャラクターやコンテンツでラッピングしたり、そこでしか買えない商品、そこでしか買えないファミマプリントを販売することで、キャラクターやコンテンツの聖地として、「ファンの方々に、わざわざそこのファミマに来る理由を提供していきたい」との展望を明かした。また、昨年度は、公共料金や税金などの支払いによって、宝塚歌劇やプリンスアイスワールドのチケットが当たるキャンペーンが実施されたが、今年もこの路線を継続強化。「払込のお支払いでもファミリマートをわざわざ選んで行く理由を作っていく」と続ける。
そして、「『あなた』のうれしい」については、ファミリーマートの店舗外にも拡大。昨年度、ファミリーマートでは初となる福袋をオンラインで販売され、好評だったことをきっかけに、ネット販売を「ファミマオンライン」として大幅にリニューアル。「すでに世の中にはたくさんのECがある」という前提から、「普通のことはしないし、普通のものは売らない」という足立氏。「ファミマオンライン」では、ファミリーマートだからできるとっておきの商品、またわくわくする楽しい商品などを中心に販売していくという。
○大谷翔平選手がおむすびアンバサダーに就任
2025年度のマーケティング戦略に続いては、2025年度最初のキャンペーンとなる「おむすび」のキャンペーン概要を紹介。メジャーリーガーの大谷翔平選手がVTRで登場し、「ファミリマートおむすびアンバサダー」に就任したことが発表された。
大谷選手のアンバサダー就任にあわせて、第一弾となる「おむすび」キャンペーンは、「おむすび二刀流、解禁」と銘打たれ、新作となる「ぼんご」監修のおむすびと、名作の「大きなおむすび」の新商品が展開される。
大谷選手をアンバサダーに起用した理由について、「訴求していきたい本格感という意味では、世界のトップオブトップである大谷選手以上の方はあまりいないのではないか」という足立氏は、大谷選手が無類のおむすび好きであることもあり、「ファミリマートのおむすびを日本一のおむすびにしたいという熱い想いにお応えいただいた」と振り返る。
なお、大谷選手が出演する、記者会見スタイルのTVCMがキャンペーン開始日となる3月4日から全国で放映されることもあわせて発表。足立氏からはロスで行われた撮影時のエピソードなども披露された。
なお、TVCMだけでなく、様々なデジタル広告やSNSを通じても告知が行われるほか、キャンペーン期間中は横断幕ポスター、ファミリマートビジョンなど、店舗のあらゆる場所で「おむすび二刀流、解禁」を訴求。SNSでのクイズキャンペーンや、大谷選手の活躍をみんなで応援するキャンペーンなども実施される予定となっている。
なお、大谷選手はおむすびアンバサダーに就任したことによって、今回のキャンペーン以降も、「皆様に驚いていただけるようなコミュニケーションが続々登場予定です」と、さらなる展開も予定されているという。
○「ぼんご」コラボの新作など4種類のおむすびが新登場
続いて、ファミリーマート 商品本部 デリカ食品部長の木内智朗氏が、新商品として展開されるおむすびの詳細を発表。新作として「ぼんご監修 手巻 肉そぼろ(卵黄ソース)」と「ぼんご監修 手巻 高菜明太マヨネーズ」、名作として「大きなおむすび 昆布とツナマヨネーズ」と「大きなおむすび マヨたま」の4製品が登場する。
おむすび市場の直近傾向について木内氏は、総務省の家計調査の結果を紹介。おむすびの家計消費支出は、2020年の4,524円に対して、直近2024年は6,166円となっており、おむすびの家計消費支出は増加傾向が続いている。その背景として、おむすび専門店の増加、デリバリーやテイクアウト需要の高まり、インバウンド需要の拡大などを挙げ、「伝統的な日本のソウルフードとして、され続けているおむすびは進化を続け、“映えるごちそうおむすび”の流行などによって消費者を魅了しているとの見解を示す。
ファミリーマートにとっておむすびは、中食における最大ミッションのカテゴリのひとつ。これまでから、定番商品の刷新や他企業とのコラボレーション、ファミチキサンドおむすびやSPAMおむすびなど、様々な形でバラエティに富んだ展開が行われてきた。
今回、新作として登場するおむすびは、専門店ブームの火付け役でもある「ぼんご」とのコラボレーション。「ぼんご」が東京・大塚にある握りたてを提供する創業60年以上の歴史あるおにぎり専門店。海苔で包み込むように握ったふっくらとした食感と、豊富な具材が人気を集めている。なお、ファミリーマートが2023年に導入した「手巻おむすび成型機」、「ぼんご」の握り方を参考にして開発されたものだという。
さらに3月からは、おむすびのお米と塩についても、おいしさをさらに追求。お米はコシヒカリとヒトメボレのブレンド米で、「炊飯工程を見直し、お米の甘みを引き出すことで、ごはんをさらに美味しくすることができた」という木内氏。この見直しによって、賞味期限を2時間延長することも実現しているという。一方、塩については、瀬戸内の藻塩を使用しており、海藻浸漬海水の量を増やすことによって、旨味、味わいを向上。そして、塩の粒がおむすび全体に均等に行き渡るよう、新型の「塩振り機」の導入も行われている。
■ぼんご監修 手巻 肉そぼろ(卵黄ソース)
肉そぼろは牛と豚の挽き肉を使用することで、牛の旨味を感じる甘辛い味付けに仕上げられている。卵黄ソースは、とろっとした食感で、卵黄のコクが肉そぼろを引き立てる。
■ぼんご監修 手巻 高菜明太マヨネーズ
高菜炒めは、ごま油の風味と一味のピリッとした辛さ、シャキシャキとした食感も癖になる仕立て。魚介や和風だしの旨味を効かせた明太マヨネーズとあわせることで、また食べたくなる味わいとなっている。
■大きなおむすび 昆布とツナマヨネーズ
昆布佃煮は、2種類のサイズを配合し、サイズを調整することで味の広がりが増すように変更。ツナも味わい深さを感じられるよう、まぐろとカツオを配合し、1食の満足感をアップさせている。
■大きなおむすび マヨたま
鶏ガラの旨味とペッパーが効いた醤油ごはんに、1/2カットした半熟の煮たまごと、砕いたゆでたまごを入れたタルタルソースが組み合わされている。この商品のみ、キャンペーン開始翌週の3月11日より発売。
さらに、今回の刷新にあわせて、「シーチキンマヨネーズ」「紀州南高梅」「紅しゃけ」「辛子明太子」「真昆布」といった定番手巻おむすびの具材リニューアルも行われる。
そのほか、3月4日からは「おむすび全品20円引き」となるクーポンが配布されるほか、「ちょいデリ」いずれか1品とおむすびをセットで購入すると合計金額から50円引きとなる施策も同時に実施。また、「ぼんご」とのコラボ企画として、店主の右近氏と行く「親子田植えツアーご招待!キャンペーン」も実施される。