【IPO企業】2024年は86社 -「テック企業」や「人材関連サービス」がけん引

2025年3月5日(水)9時1分 マイナビニュース


帝国データバンクは2月27日、2024年における「国内IPO市場の動向と特徴」に関する調査結果を発表した。同調査は、約148万社の企業概要が収録されている同社データベース「COSMOS2」、および各証券取引所の資料等をもとに集計・分析した。
2024年に新規株式公開(IPO)した企業は86社。前年から10社減少し、3年連続で100社を下回った。
初値で換算した時価総額が最も高かったのは「東京地下鉄」の9,500億円で、2018年のソフトバンク以来の大型上場に。「東京地下鉄」をはじめ、1,000億円を超える大型IPOとなったのは、前年から横ばいの6社。
また、86社のうち初値が公開価格を上回ったのは63社で、全体に占める企業の割合は73.3%。赤字上場企業(上場直前期の当期純利益が赤字)の割合は全体の24.4%(21社)となり、前年(21.9%)から2.5ポイント上昇した。
業界別の構成比では、「情報サービス」を含む『サービス』(65.1%、前年比-1.6pt)が突出して高く、次いで『金融』(16.3%、同+1.7pt)、『製造』(5.8%、同-5.7pt)が上位に。
さらに細かくみると、製造業向けAIソリューションを提供する「VRAIN Solution」(東証グロース)や、大手企業向けDX内製支援サービスなどを手がける「情報戦略テクノロジー」(東証グロース)などの「情報サービス」が全体の18.6%(16社)でトップに。
次いで、「金融」(16.3%、14社)が続き、半導体メモリ大手の「キオクシアホールディングス」(東証プライム)など、「その他の投資業」が13社、「その他の貸金業」が1社。また、「その他サービス」(14.0%、12社)では、大型IPOの「タイミー」(東証グロース)の上場が注目を集め、「専門サービス」(11.6%、10社)では、医療法人の経営支援などを行う「ユカリア」(東証グロース)といった「経営コンサルタント」などが含まれている。
総じて、AIやDXソリューションを含むデジタルおよびITテクノロジーを活用するいわゆる「テック企業」の新規上場が引き続き全体をけん引。また、深刻な人手不足や働き方の多様化を背景に人材関連サービスも目立つ結果となった。
次に、2024年IPO企業の社長の平均年齢を調べたところ、前年から0.8歳低下し、50.8歳という結果に。全企業の社長平均年齢を10歳近く下回った。
また、2024年IPO企業86社のうちスタートアップ企業は35社と、全体の40.7%を占めている。スタートアップ企業の「出口戦略」(イグジット、EXIT)の手法としてIPOが代表的と言われているが、その割合は前年(62.5%)から21.8ポイント低下する結果に。その背景には、スタートアップ企業が多く上場する東証グロース市場の継続的な低迷などによるIPOの延期が考えられるという。
最後に、同社保有の信用調査報告書(CCR)の情報をもとに、「その企業の売上高が、3年後に1.5倍以上になるか否か」を予測する成長性予測モデル「SP」を用いて、IPO企業の成長性を分析した。
その結果、2024年12月時点において、3年後に売上高が1.5倍以上になる可能性が最も高い「SPレベル10」の割合は、全企業では7.1%だったのに対して、2024年IPO企業群では56.4%と全企業の約8倍にのぼった。

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