週明けの体のだるさ、原因は「ソーシャルジェットラグ」!? 世界7か国の「Pokémon Sleep」調査結果発表
2025年3月14日(金)17時40分 マイナビニュース
ポケモンは、3⽉14⽇の「世界睡眠デー」を記念し、「Pokémon Sleep(ポケモンスリープ)の世界7か国(⽇本、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、カナダ)に住む約1,700万⼈のユーザーデータを対象とした、睡眠ソーシャルジェットラグ調査を実施した。調査期間は2023年7⽉~2024年10⽉で、「Pokémon Sleep」を3か⽉以上継続プレイした、⽉平均計測回数が20回以上のプレイヤーデータを各国ランダムで400サンプル抽出したとのこと。また、日本の「Pokémon Sleep」ユーザーにおけるソーシャルジェットラグ調査も行われ、「Pokémon Sleep」を3か⽉以上継続プレイした、2024年9~11⽉の⽉平均計測回数が20回以上である16歳以上のユーザーをランダムで4,729⼈抽出したとのこと。なお、調査期間は2024年12⽉19⽇~2024年12⽉25⽇であった。
今回の調査のテーマは、仕事・学校などで制約がある平⽇と、時間に⽐較的融通の効く休⽇の⼊眠・起床時刻のずれを指す「ソーシャルジェットラグ」。まるで時差ぼけをしているかのような⾝体・精神的な症状が引き起こされるため、この症状は「社会的時差ぼけ」とも⾔われているとのこと。
世界7か国のユーザー1,700万⼈以上を対象とし、起床タイミングが⽉曜~⾦曜のデータを「平⽇」、⼟曜~⽇曜のデータを「休⽇」として分析すると、平均⼊眠時刻は平⽇が0:17、休⽇が0:44、平均起床時刻は平⽇が7:56、休⽇が8:50という結果になり、平⽇と休⽇における⼊眠時刻の差は平均27分、起床時刻の差は平均54分であった。世界各国で⼊眠時刻・起床時刻ともに、休⽇の⽅が遅くなっていることがうかがえる。
また、⽇本を他国と⽐較すると、平⽇と休⽇の⼊眠時刻のずれは18分と最も⼩さく、起床時刻は45分とトップレベルに⼩さいことがわかった。⽇本は平⽇の平均睡眠時間が7時間1分と最も短い国でもあったが、平⽇と休⽇の睡眠の時間帯のずれは、総じて最も⼩さい国であるという結果となった。
「Pokémon Sleep」のリリース直後から現在までプレイしている⽇本⼈において、リリース直後3か⽉時点での平均睡眠時間は6時間55分であったのに対し、本調査の対象である直近3か⽉の平均睡眠時間は7時間26分であったことから、リリースからおよそ1年半で⽇本⼈の睡眠時間は約30分伸びていることがわかっているとのこと。
⼊眠時刻の規則正しさは、ユーザーがあらかじめ「Pokémon Sleep」内で就寝⽬標の時刻を⼊⼒し、その時間をめざして就寝する「ねむりの約束」を守っている割合からも検証できるという。
いずれの7か国も平⽇には6割~7割前後で「ねむりの約束」を守っていた⼀⽅で、休⽇には「ねむりの約束」を守った割合が5割~6割に低下していた。最もその差があったのは「ドイツ」(16.5pt)で、次いで「フランス」(15.3pt)、「イタリア・アメリカ」(同率12.7pt)という順になった。
⽇本は他国と⽐較すると、平⽇・休⽇を問わず「ねむりの約束」を守る⼈が多い⼀⽅で、そういった状況においても平⽇と休⽇では10pt以上の差が発⽣しているという。
加えて、⽇本において「Pokémon Sleep」のリリース直後3か⽉時点と直近3か⽉で「ねむりの約束」を守っている割合を⽐べると、平⽇で8.4pt、休⽇で6.4pt増加していた。これらのことから、リリース当初と⽐較し、⽉⽇が経つと共に規則正しく眠ろうとする意識が向上している様⼦もうかがえる。
ソーシャルジェットラグを測る指標として、⼊眠時刻と起床時刻の中央の時刻である「ミッドスリープタイム」(睡眠中央時刻)のずれがある。今回の調査では、ミッドスリープタイムが1時間以上ずれている状態をソーシャルジェットラグの該当者としたとき、世界でソーシャルジェットラグがあった⼈は26.1%となり、4⼈に1⼈以上が時差ぼけ状態に陥っている可能性があることがわかった。
さらに、ミッドスリープタイムのずれが30分以上だった⼈は、世界平均で54.5%となった。今後、このずれが広がることで、時差ぼけ状態になる可能性もあるという。
⽇本においては、ミッドスリープタイムが1時間以上ずれている⼈は16.5%で、世界平均26.1%と⽐べソーシャルジェットラグの該当者は少ない傾向にあった。世代別で⽐較すると、若年層ほど該当者の割合が⾼く、60代の3.1%に対して10代は26.0%がソーシャルジェットラグの該当者となった。若い⼈は⽣理学的に体内時計が「夜型」になりやすいと⾔われており、睡眠が不規則になりがちであることが今回の調査でも確かめられたとのこと。
「ソーシャルジェットラグ」とは、平⽇と休⽇の間に⾃分で時差を作り出してしまっている、という考え⽅がもとになっている概念のこと。⽇本の「Pokémon Sleep」ユーザーにアンケート調査を実施したところ、88.8%が「ソーシャルジェットラグ」を「知らない」と回答した。
ソーシャルジェットラグの該当者では、「⽇中も眠気を感じることがある」(57.6%)、「朝に起きづらさを感じることがある」(50.1%)、「⽇中に疲労感やだるさを感じることがある」(46.8%)、「時間的には⼗分に睡眠をとっていても、寝⾜りないと感じることがある」(42.9%)といった、何らかの睡眠に関する悩みや症状を⾃覚していることが多く、そういった症状を実感するタイミングとして、第⼀位「朝、起きた瞬間」(60.4%)、第⼆位「午後、仕事・勉強などをしているとき」(36.1%)、次いで「午前、仕事・勉強などをしているとき」(29.1%)が挙がった。
ソーシャルジェットラグの該当者では、時差ぼけ状態を予防・改善したいと思っている⼈が87.8%いることがわかった。また、同じくソーシャルジェットラグ該当者からは、夜ふかしをしてしまう誘惑として、「Web動画(YouTubeやTikTokなど)をダラダラと⾒てしまう」(56.2%)、「SNS(XやInstagramなど)をダラダラと⾒てしまう」(53.9%)などが挙がった。
「ねむりの約束」がもたらす⼼的効果について聞いたところ、「毎⽇の就寝時刻を意識するようになった」(91.6%)、「ポケモンのためにねむりの約束を守ろうと思うことがある」(89.5%)という回答となった。
さらに、「ねむりの約束」のために予定を切り上げて睡眠を優先したことがある」には、半数を超える55. 5%のユーザーが「当てはまる」「やや当てはまる」と回答するなど、「ねむりの約束」がユーザーの⾏動を変容させる要因の1つになっていることも⽰唆されたとのこと。
睡眠学者の柳沢教授によると、ソーシャルジェットラグにならないようにするためには、平⽇にも⼗分な睡眠時間を確保し、睡眠不⾜を残さず、休⽇も同じくらいの時刻に眠って起きるのが理想であるとのこと。また、休⽇に睡眠を延ばすにしても、ミッドスリープタイムをできるだけ変えないように睡眠を両側に伸ばす、つまり、次の⽇遅くまで眠っていい⽇ほど早く眠ることがコツだという。
また、ミッドスリープタイムや睡眠時間は「Pokémon Sleep」で可視化できるため、⾃分が調⼦よく⽣活できる⾃分なりの「睡眠コアタイム」を⾒つけ、それを守ることを⽇々の約束にすると良いかもしれないとのこと。