学費の安さ"国公立並み"、豊田工業大学ってどんな大学? 「ほぼ全員に奨学金」などで注目集まる

2021年3月24日(水)17時19分 キャリコネニュース

愛知県の私立大学、豊田工業大学がネット上で注目を集めている。私大でありながらも、授業料は年額60万円と国公立並み。さらには、希望する学生のほぼ全員に無利子で貸与される奨学金制度なども充実しており、全国から羨望の眼差しが寄せられている。

公式HPによると、初年度の学納金は授業料60万円のほか、入学金28.2万円、教育充実・環境整備費10万円などを合わせた約98万円。2年次以降は約70万円になる。一般的な私立大学(理工系)の平均は166万円。国公立大学の場合は82万円であることから「国公立大学並みの学費」と表現している。私立大学の学費が高騰を続ける中で、ここまで安いのは珍しい。

「アルバイトに生活時間を費やすことなく、有意義な学生生活を送ることが可能」


学費を低く抑えられている理由について、同大学の広報担当者は「トヨタ自動車から運営交付金を受けていることによります」と答える。

同大学は、トヨタ自動車が1981年に社会貢献活動の一環として設立した経緯がある。建学の理念は「研究と想像に心を致し、常に時流に先んずべし」。新しい分野に挑む実践的な技術者の育成を理念に掲げており、学部学科は工学部先端工学基礎学科のみ。同大学のガイドブックには、トヨタ自動車の創業者の名前などを挙げ、

「豊田佐吉や喜一郎をはじめ、モノづくりの発展に貢献してきたイノベーターたちのDNAを受け継ぎ、未知の分野に果敢にチャレンジし、新しい道を拓いていく開発技術者の育成が必要であるという考えに基づき、次世代の国際産業リーダーとなる、強い志と情熱を持った人材を育てることを使命としています」

と記述がある。このような理念のもと設立された同大学だからこそ、学生の経済負担を減らす仕組みを多数用意しているのだろう。公式HPでも「アルバイトに生活時間を費やすことなく、有意義な学生生活を送っていただくことが可能です」とアピールしていた。

「トヨタ自動車」「アイシン精機」などトヨタグループに多数就職

ベネッセが運営する進学情報サイト「マナビジョン」によると、同大学の偏差値は62〜63。関東で例えるなら、MARCH(明治、青山学院、立教、中央、法政)の理系学部に近いランク帯だ。

就職実績をみると、資本金10億円以上の企業への就職率は85%。第一志望の企業への就職率は84%で、開学以来の就職決定率は100%だという。1995年以降の累計就職先上位の企業をみると、最多は「トヨタ自動車」(92人)。次いで「アイシン精機」(62人)、「デンソー」(60人)などと続いた。

4位に「豊田自動精機」(56人)、10位に「豊田合成」(27人)、11位に「トヨタ紡織」(25人)、13位に「トヨタ車体」(22人)、16位に「トヨタシステムズ」(15人)など上位にはグループ会社が名を連ねている。このほかにも「本田技研工業」(36人)、「ダイハツ工業」(13人)など自動車関連の大企業に就職する卒業生も多い。

広報担当者は、ネット上で注目を集めていることに対して「本学に関心を持っていただけたら幸いです」とコメントしている。

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