【第94回アカデミー賞】助演男優賞は『コーダ あいのうた』のトロイ・コッツァー ろう者の男性俳優が初受賞

2022年3月28日(月)10時20分 シネマカフェ

第94回アカデミー賞で助演男優賞を受賞したトロイ・コッツァ― Myung Chun / Los Angeles Times via Getty Images

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第94回アカデミー賞授賞式が3月28日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『コーダ あいのうた』のトロイ・コッツァーが助演男優賞を受賞。男性のろう者の俳優が、アカデミー賞の演技部門で初めてオスカー像を手にした。

家族の中でただ1人の聴者である少女が、歌の才能を見いだされ、ろう者の両親の大反対を受けながら、名門音楽大学への進学を目指す姿を描いたヒューマンドラマ。2014年製作のフランス映画『エール!』のリメイクで、題名の“CODA”は、“Children of Deaf Adults”(耳の聴こえない両親に育てられた子ども)を指す。

トロイは生後間もなく、聴覚に障がいがあることが判明。10代の頃から演技に触れ、2001年に出演したテレビシリーズで俳優として本格デビューを飾った。その後、「CSI:ニューヨーク3」「クリミナル・マインド8 FBI行動分析課」「マンダロリアン」など数々のテレビシリーズに出演。本作では娘ルビーの歌声が聞こえず、その才能を信じられずにいたが、思いがけない方法で娘の才能に気づき、意外な決断を下す父親フランクを好演した。

なお、トロイをはじめ、主人公の家族3人(父親、母親、兄)を実際に聴覚に障がいを持つ俳優たちが演じた。母親役のマーリー・マトリンは、ろう学校に赴任した教師と、ろう者の女性の愛と献身を描いた『愛は静けさの中に』で第59回アカデミー賞主演女優賞を獲得している。



この場に立つことができて、信じられない気持ちです。ろう者として舞台に立つことを支えてくれた皆さんに感謝を伝えたいです。

スピルバーグ監督の著書によると「最高の映画監督は、最高のコミュニケーターである」そうですが、シアン・ヘダー監督は、まさに最高のコミュニケーターでした。監督は障がい者と、障がいを持たない人の橋渡しをしてくれました。これはいつまでもハリウッドに残る橋になりました。(事故に巻き込まれ、手話ができなくなってしまった)父は私にとって、英雄であり、常に愛しています。ファン、愛する家族、ろう者に捧げます。私はやり遂げました。

これ(オスカー像)はろう者、コーダのコミュニティに捧げたいと思います。

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