このスープ、確かに「皮の味」がする エースコック「豚まん味ワンタンメン」の驚愕の仕上がり

2023年4月3日(月)8時0分 Jタウンネット

マニアと味わう「ご当地カップ麺」の世界

第百四回 エースコック「ワンタンメンどんぶり 南京町監修 豚まん味中華そば」

文・写真:オサーン

カップ麺ブロガーのオサーンです。

「ご当地カップ麺」連載の第百四回目となる今回は、エースコックの「ワンタンメンどんぶり 南京町監修 豚まん味中華そば」をレビューします。

エースコックの「ワンタンメン」は1963年から続く大定番ブランド。

小麦でできた麺とワンタンを使って、これまた小麦でできた皮でくるまれた豚まんを再現するという、ちょっと不思議な商品となっています。

神戸の中華街「南京町」監修

肉餡入りの中華まんは東日本では「肉まん」、西日本では「豚まん」と呼ばれることが多いといいます。これは、東日本では肉といえば豚肉なのに対し、西日本では牛肉のことを指すためだそうです。

ただ、東日本でも「豚まん」の名は浸透しており、ノーマルなものを「肉まん」、大きかったり餡がゴージャスだったりするものを「豚まん」と使い分けしているお店も。

コンビニでも、同じお店で「肉まん」と「豚まん」の両方売られていることが多いです。

例えばセブン-イレブンでは、「肉まん」より「豚まん」が2まわりくらい大きい上、餡も「豚まん」の方がゴージャス。そして価格も「豚まん」のほうが上です。普通の「肉まん」でも十分具だくさんでおいしいんですけどね。


そんな「豚まん」をカップ麺化したのは、今年に入ってからすでに、餃子・テリヤキバーガー・レバニラなどをカップ麺で再現しているエースコック。

往年の桜庭和志選手ばりに異種格闘技戦を得意としているため、今回の「豚まん」も面白いとは思っても違和感はそれほどありません。

ただ、「豚まん」の餡部分はともかくとして、外側の皮部分の甘い味をどう再現しているのかが気になるところ。

あの結構な皮の甘さがないと「豚まん」の再現とはいえなそうですが、中華そばで再現するのは難しそうですが......。

今回の商品を監修しているのは神戸にある南京町。横浜中華街や長崎新地中華街とともに日本三大中華街のひとつとされる街で、明治時代からの歴史があります。

さて、どんな仕上がりになっているのでしょうか。

何で豚まんを再現する気...?

カップの中には麺と「粉末スープ」と「かやく」の2袋が入っています。

別添え袋の中身はいずれも、お湯の前にカップの中に入れておくものです。

先入れの別添袋2つを麺の上に開けた状態。

ワンタンが3個入っていますが、どう見てもワンタン麺の範疇を出ておらず、別段、豚まんを再現しているようには見えません。

皮と餡でできているワンタンが豚まんに似ていなくもないですが、それなら世のワンタン麺はすべて豚まん味になってしまいますね。

全部スープでやるのかよ!?

スープは豚の旨みや強めに甘みを効かせた醤油味で、玉ねぎや五香粉の風味で中華感を演出しています。

豚の旨みと玉ねぎの風味によって豚まんの餡の味を再現しています。

具で玉ねぎを入れれば良いのにと思いますが、一切入っていません。しかし、スープだけなのに、餡の味に近いものは確かにありました。

そして、それだけではありません。

スープに玉ねぎとは違う強い甘みがつけられており、皮の味を思わせる甘さがしっかり再現されているのです。

単に醤油味のスープと考えるとこの甘さは邪魔でしかありませんが、「豚まん味」だと考えると納得。餡も皮もすべてスープでだとは驚きました。

前情報なく食べて、「これは豚まんの味だ!」と当てる自信はありませんが、豚まん味だとわかって食べたら、確かに説得力のある味ではないでしょうか。

麺は、中細で縮れのついた油揚げ麺。細さの割にかための食感となっており、ふわふわの皮の食感を再現しているわけではなさそうです。

醤油の色なのか黒めの色味で、味も普通の麺より濃く、麺がスープの味の中に取り込まれているような一体感がありました。

麺と同じ小麦仲間の豚まんの皮を再現しているように見せかけて、実は餡の味を増幅させるような、餡の再現の一部として機能しています。

具で再現する気はさらさら無し?

ワンタンは、「ワンタンメン」のカップ麺にも入っているタイプのものが、いつもと同じく3個入っています。

特に豚まんに寄せて作られているわけではなさそうで、これならあえて「ワンタンメン」で豚まんの味を再現する必要はないようにも見えます。ただ、「ワンタンメン」はエースコックの屈指の老舗ブランドであり、同じく歴史の古い南京町とコラボするには最適な存在でもあります。

肉そぼろとネギも入っていますが、こちらはおまけ程度。

特に肉そぼろはたくさん入っていると豚まん感が増すはずですが、具で豚まんを再現する気はさらさらないようです。

すでにスープで豚まんを十分再現できているという余裕の現れでしょうか。

遊び心タップリで、味も犠牲にしないエースコック

神戸・南京町監修の「豚まん味中華そば」という面白い商品。餡の味だけでなく、皮の甘さをガッツリ再現したスープは特異な存在でした。

一方で、スープ以外の麺、ワンタン、具ではあまり豚まんを再現しようとはしていない模様。ひたすらスープのみで本気を出している二面性も面白かったです。

エースコックは遊び心たっぷりの商品が多く、それでいて味を犠牲にしない姿勢を貫いているため、今後の面白いカップ麺にも期待大です。

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