「車椅子の老母を連れて島根旅行。抱きかかえて移動中にかけられた『驚きの言葉』に思わず涙が...」(大阪府・50代女性)

2024年4月8日(月)6時0分 Jタウンネット

シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Uさん(大阪府・50代女性)

Uさんは昨年、車椅子の母親を連れて島根旅行に行った。

母親は2年前に脳梗塞で倒れて以来、車椅子生活。何度もサービスエリアに立ち寄る、片道8時間にも及ぶ旅だったという。

<Uさんの体験談>

私の母は2年前に軽い脳梗塞で倒れました。

それは、かねてより予定していた島根旅行の2日前でした。

長らく帰れていなかった母の地元への帰省を兼ねた旅で、母は嬉しそうに何日も前から着替えや、毎日服用している薬などを準備していたのですが......。

車椅子の母を連れ、片道8時間の車の旅

母が倒れたことで、旅行は取り消し。

手術や入院などのおかげで回復はしたものの、母は失語症と認知症を発症。入院中に大腿骨骨折もして、椅子以外に座ることは難しくなりました。

色々あって介護付き老人ホームに入った昨年の夏、体調も問題ないということで、母を帰省旅行に連れ出すことに。

車に車椅子を積み、大阪から約8時間かけて、何度もサービスエリアに立ち寄り、体調を見ながらの旅でした。

車椅子の人を解除しながらの旅行は姉も私も初めてで、ある意味チャレンジでしたが無事、目的のお墓参りを終えることが出来ました。

旅の後半は松江の旅行へ。姉も私も乗ってみたかった堀川めぐりの小舟に乗ることになりました。

乗船は悩んだけれど、受け入れてくれると聞いて...

堀川めぐりでは、屋根を下げて通過する橋がいくつかあります。

その度に体勢を低くしなければならず、仰向けに寝転ぶのを何度も繰り返さなければならないのは母にはつらいかと思い、乗船は悩みました。

しかし、「身体の不自由な方も手伝います」といった記載を見て、チャレンジすることに。

乗船の時には係の方が船ギリギリまで車椅子をつけてくれて、少しでも足場の悪い船上での移動を減らすために最後に乗せてくれるなど、気さくに手伝ってくれました。

床に座れるか不安でしたが、なんとかピンと足を伸ばさせて、私が母の座椅子のように背後に座り、寝起きを手伝いながら船巡りを楽しむことができました。

下船の時も急がずに降りられるように、「ここに足を置いて、次にここを持って」など動きやすいようにお声がけもいただき、ゆっくり降りさせてくださいました。

私たちは荷物を持ち、さらに母がこけないように抱きかかえながら船から陸へ移動。その時、1人の女性に声をかけられました。その言葉が今も記憶に残っています。

「手伝わせてください!」

なんて、私たちがお願いしやすいような、素敵な表現をしてくださる方だろうと、涙が自然に湧いてきました。

私は少し驚きながら「あっ、ありがとうございます、では荷物のほう持っていただいて良いですか?」とお願いすることができました。

「手伝わせてください!」という言葉のバトンを回したい

「手伝いましょうか?」ではなく「手伝わせてください!」。この言葉を、私はこの先も忘れることはないと思います。

どこかでこの素敵な言葉のバトンを、私も回せたらと思います。

日本、捨てたもんじゃないです。

ここでの出会いは私たちの特別なチャレンジ旅行の一番の思い出となり、介護しながらの旅行も「なんとかなる!なんとかできる!」のスタートとなりました。

堀川めぐりの皆さん、素敵なお声をかけてくださった女性の方、あの時は本当にありがとうございました。

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