南極の「超巨大ピラミッド」は古代文明の遺物か、尖った山か、その真相は……

2024年4月11日(木)12時0分 tocana

 南極大陸にそびえる超巨大ピラミッド構造物をどう理解すればよいのだろうか。魅惑的なファンタジーと不吉な“陰謀論”が渦巻く南極のピラミッドについての最終結論とは——。


■南極にそびえる超巨大ピラミッド


 1935年11月23日にアメリカ人飛行士リンカーン・エルズワースが南極上空を飛行中に“超巨大ピラミッド”を発見した。これは奇跡的に自然に形成された構造なのか、それとも人工物なのか——。


 南極大陸のエルスワース山脈にあるピラミッド型の形状は超古代文明や地球外文明に関わるあらゆる種類のファンタジーと陰謀論を生み出している。


 2キロ四方もある超巨大ピラミッドの衛星画像は2016年に初めてインターネット上に登場したといわれ、グーグルアースなどで誰もが目にすることができるようになったことで、多くの注目を集めるようになると共にさまざな憶測を招くことになった。


 誰もが独自の考えを持っており、XなどのSNSでさまざまな見解が投稿されている。


「この建造物は(聖書の)洪水前に存在した文明に属します。約1万年前、南極は暖かかったです」(あるXユーザー)


「イルミナティが認めました」(あるXユーザー)


「待って、どうやってピラミッドをエジプトから南極に移したの?」(あるXユーザー)


 南極が温暖だった頃に古代文明によって建設されたという主張もあれば、宇宙人の仕業だとの見解もある。


 いわゆる“陰謀論”ではこの南極のピラミッドは超古代文明が手がけたものであると主張し、「次元転移装置」などが隠されているという噂も囁かれているようだ。


 またナチスのヒトラーは南極大陸に何度も調査隊を派遣していたのだが、このピラミッドを発見して極秘裏に調査していた可能性も指摘されている。いずれにしてもこの南極のピラミッドは好奇心旺盛な人々の想像力を膨らませる格好の“物件”になっているようだ。


■“陰謀論”が一蹴されるが…


 さまざまなインスピレーションを与えてくれる南極のピラミッドだが、地質学者はどう見ているのだろうか。


 カリフォルニア大学アーバイン校の地球システム科学教授、エリック・リグノー氏は「CBS」のインタビューでその真相に迫っている。


 リグノー氏は「この画像にはピラミッドの形とその頂上が示されているように見えますが、これはピラミッドのように見える単なる山です」と説明した。


「“ピラミッド”は実際には“ピラミッド状の尖った山”として知られる氷河地域の特徴であることが判明しました。それらは、既存の陸地の側面に氷河が集まって形成されています」(リグノー氏)


 つまりリグノー氏は“陰謀論”を一蹴しているのだ。


「ピラミッドの形状は不可能ではありません。多くの頂上は部分的にピラミッドのように見えますが、そのような面を持つのは1つか2つだけで、4つあることはまれなことではあります」(リグノー氏)


 一方、ドイツ地球科学研究センターの地質学者ミッチ・ダーシー博士は科学系メディア「IFLScience」に「ピラミッド型の構造物はエルズワース山脈に位置しており、エルズワース山脈は長さ400km以上の 山脈なので、氷の上に突き出た峰々に岩石が多いのは不思議ではありません」と説明している。


「これらの峰は明らかに岩で構成されており、この特定の峰がその形をしているのは偶然です。複雑な形ではないので、特別な偶然ではありません。定義上、それはヌナタク(nunatak)であり、氷河または氷床の上に突き出ている単なる岩の頂上です。 これはピラミッドの形をしていますが人間の建造物ではありません」(ダーシー博士)


 ヌナタクとは氷河地域に見られる地形で、氷河または氷床から頂部のみが突き出た山や丘のことである。


 ウェブメディア「UNILAD」によれば、この種の“ピラミッド”のほかの事例としてアイスランドのブーランドスティンドゥル山やフェロー諸島のボルドヤルネス山などが挙げられるという。


 確かにどちらの山もなかなか整ったピラミッド型を形成している。南極のピラミッドはもまた自然の形成物ということで一件落着となる気配が濃厚となっていそうだが、そこに大どんでん返しがありそうに思えてくるのもまた謎多き南極ミステリーである。


参考:「UNILAD」ほか

tocana

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