このズボン、味がある? それとも小汚い? 清潔感はこういう判断に出るのかもしれない…と思った話

2025年4月14日(月)11時0分 ロケットニュース24

つい先日、妻から「お願いだからそのズボンを捨ててくれ」と言われた。懇願するかのように、それでいて一歩も引く気はないかのように「捨てて」と言ってきたので、私は軽く混乱した。

それは2年ほど前にユニクロで購入したもので、私が唯一持っている長ズボン。これを捨てるだと? 全くもって意味がわからない。戸惑いながら妻に理由を聞いてみると、「あまりにも小汚い」と言う。

いやいや、ちょっと待ってくれ。これは「小汚い」じゃなくて「味がある」だろ! と私が反論すると、「どっからどう見ても小汚い。なんなら “小” じゃなくて “汚い”」と妻は言う。……は?

・「味がある」と「小汚い」の境目
よくよく考えれば、「味がある」って言葉は曖昧だ。褒め言葉ではあるけれど、“完璧” というニュアンスではない。どちらかというと、”いい感じに個性が出ている” という意味だろう。

なので、このズボン(綿パン)も「味がある」と私は思うのだが、妻に言わせると違うらしい。なんでも、白く変色した部分や、横に線が入っているあたり、裾(すそ)がほつれているところが受け入れ難いのだという。

じゃあGパンはどうなるんだ? と私は思った。ダメージジーンズってものが世界に存在するんだから、このくらいの使用感は許されて当然。むしろ、そのあたりが ”味” だろ!!

……と私が主張すると、妻は「Gパンと綿パンは違う」と言う。

いやいやいや、Gパンはアリで綿パンはダメとか、そんなダブルスタンダードが許されていいのか? いいわけがない。どちらもズボンで、なおかつカジュアルなシーンでも使用できるのだから、同じ基準でいくべきではないのか?

・ちょっと使用感のあるズボンが「小汚い」に分類される世界線
つまり、もし仮にちょっと使用感のある綿パンが「小汚い」に分類されてしまったら、ダメージジーンズは「汚物」くらいになってしまう。そんなこと、ダメージジーンズを穿いている人に言えるか?

——という感じで、議論は平行線をたどるばかり。どうしていいか分からなくなったので、ChatGPTに意見を聞いてみることにした。

お〜い! ChatGPT〜!! このズボンの使用感って、「味がある」の範囲……だよね?

・AIの意見

……なるほど。紙一重パンツか。全然うれしくない “際どさ” だが、そう言われてみればたしかにそんな気がする。

・「味がある」を追い求める難しさ
ChatGPTの見解を聞いた後に改めて考えてみると、自分で大事な点を見落としていたことに気づいた。そもそも「味があるかどうか」ってのは他人が決めるってことを。つまり、自分で “味” を意識したら全てが台無しになりかねない

言ってみれば、「味がある」という名のグリーンは、広大なバンカーに囲まれている。グリーンに乗ればいいが、ちょっとでもコントロールをミスればバンカーにIN。素人がグリーンを狙うのは結構リスキーである。

どうしてもグリーンを意識しちゃうけど、意識しすぎたら負け……みたいなところがあるというか。その失敗例が今回のズボンで、安易に「味」を求めた結果、他人からは「小汚い」と映っていることだってある

なんなら、そのあたりをきっちり意識できるかどうかで、清潔感に差が出るような気がしないでもない。……と気づけただけでも良かったってことにして、素直にズボンを買い替えます。現場からは以上です。

執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

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