これは楽しい!いじれる触れる3Dホログラム技術が公開される

2025年4月18日(金)19時0分 カラパイア


UpnaLab Credit: Iñigo Ezcurdia.


 ホログラムは虚像だ。どんなに立体感があっても、実体はなく、触ることもできない… はずだったがそれは過去の常識になるかもしれない。


 最新の3Dホログラムは触れる。ただ触れるだけではない。実体のないはずのホログラムをつかんで向きを変えたりと、物理的に操作することだってできる。


 スマホの画面など、現代人はスクリーンにタッチするという操作に慣れ親しんでいる。スペイン、ナバーラ大学の研究チームによって考案された触れるホログラムは、3Dでそれを実現することができる。


 だがどんな魔法を使えば、虚像に触れるようになるのか? 以下でその仕組みを説明しよう。


ホログラムに触れていじれる魔法の秘密


 ここでの3Dホログラムは、お札などに印刷されたホログラムのことではないし、3DメガネやVRヘッドセットを利用した立体画像のことでもない。


 立体ディスプレイ(ボリュームディスプレイ)を利用したホログラムのことだ。


 立体ディスプレイにはいくつか種類があるが、ナバーラ大学の研究チームが利用したのは、シート状のディスプレイを上下に高速で振動させ、そこに映像を投影するタイプのものだ。



 投影される映像は、描きたい物体の高さがシートの高さに対応するように調整される。すると人間の目には、そこに立体的な物体が描き出されたように見えるのだ。


 だが、シートを振動させるという仕組みゆえに、それに触ろうとすれば、破損したり、人間が怪我をする恐れがある。


 そこで研究チームは触っても壊れず、怪我もしない柔軟な素材(詳細は未公開)を採用し、さらに人間が手を突っ込めるように切り込みまで入れた。


 しかしこのままでは、手を入れたときに投影シートが乱れるために、ホログラムまで乱れてしまう。そこでシートの乱れを計算して、ホログラムが補正されるよう調整された。


 こうして完成したのが、触れる3Dホログラムだ。



 これを使えば、箱のようなホログラムをつついて凹ませたり、骸骨や車のホログラムをつかんで回転させたりと、物理的に操作できる。


2Dタッチスクリーンから3Dタッチホログラムの未来へ


 2Dのタッチスクリーンに触れて行われる直感的な操作は、現代人にとっては慣れ親しんだものだろう。


 だが触れる3Dホログラムはそれをさらに一歩進めることができる。


 たとえば工学を学ぶ学生が、3Dで投影されたエンジンの部品を自分で組み立てれば、本だけで学ぶよりもずっと深く理解することができるだろう。


 これは研究チームが提案する応用のほんの一例で、産業やエンターテイメンなど、ほかにもさまざまな使い道が考えられる。


 そんな未来感ある触れるホログラムは、4月16日から5月1日まで日本の神奈川県横浜で開催されるACM(計算機協会)の学会「CHI 2025[https://chi2025.acm.org/]」で発表される予定であるそうだ。興味のある人はぜひ行ってみよう!


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