年金を月24万円もらえる人は、現役時代の収入はいくらぐらいですか?
2025年4月19日(土)18時30分 All About
年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、年金を月24万円もらえる人の収入についてです。
今回は、年金を月24万円もらえる人の収入についてです。
Q:年金を月24万円もらえる人は、現役時代の収入はいくらぐらいですか?
「年金を月24万円もらえるのは、現役時代にどのぐらいの収入がある人ですか?」(匿名希望)A:年収の目安は934万3512円(月額77万8626円)です
会社員は、受給要件を満たすことで原則65歳から老齢基礎年金と、老齢厚生年金が上乗せされて支給されます。老齢基礎年金は、未納期間・免除期間が全くない人は、月額6万9308円(2025年(令和7年)度満額)が受け取れます。老齢厚生年金の受給額は、現役世代の収入金額(給与など)と勤続年数(厚生年金加入期間)によって、次の計算式で計算されます。
(1)2003年(平成15年)3月までは、平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年3月までの加入期間
(2)2003年(平成15年)4月以降は、平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以後の加入期間(※)
※スライド率等については省略。乗率は昭和21年4月2日生まれ以降の人の新乗率を使用
今回は、将来年金を月24万円もらえる会社員の現役時代の収入について計算してみます。
例として相談者を2025年(令和7年)現在30歳、1995年(平成7年)生まれの方とします。20歳から国民年金に加入し、その後、22歳以降60歳まで(38年間)、厚生年金に加入した場合で計算してみたいと思います。
なお、老齢厚生年金の受給額を計算するときは(2)の2003年(平成15年)4月以降の計算式のみを用います。ボーナス込みで、38年間の年収の変更は考慮しません。
この条件で考えると、相談者は、老齢基礎年金を令和7年度で満額約6万9308円受給できることになります。そのため、毎月24万円の年金を受け取るには、老齢厚生年金を月額17万692円(24万円−6万9308円)受け取る必要があります。
老齢厚生年金を月額17万692円(年額204万8304円)受け取るための年収を(2)の計算式で計算すると下記のようになります。
●計算式
平均標準報酬額×5.769/1000×456カ月(加入期間)=204万8304円(年間の老齢厚生年金受給額)
平均標準報酬額=204万8304円/(5.769/1000×456カ月)≒77万8626円
平均標準報酬月額を年収に換算します。
77万8626円×12カ月=934万3512円(年収)
このように、毎月24万円の年金を受け取れる生涯平均年収の目安は934万3512円(月額77万8626円)となります。また、要件を満たす配偶者がいると、配偶者が65歳になるまで配偶者加給年金額が老齢厚生年金に上乗せされます。
※現在の制度をもとにした計算で、将来の年金額を保証するものではありません
※経過的加算は考慮していません
※年収と年金は額面で計算しています
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)