収入が限度額を超え、年金がカットされます。年金受給を一時停止したら、繰り下げ扱いになる?

2025年4月20日(日)18時30分 All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、在職老齢年金制度で年金がカットされる人からの質問です。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、在職老齢年金制度で年金がカットされる人からの質問です。

Q:働き始めて収入が限度額を超え、年金がカットされます。年金受給を一時停止したら、繰り下げ扱いになる?

「現在、年金を受給している66歳の男性です。働き始めて収入が限度額を超え、年金がカットされます。年金受給を一時停止することは可能でしょうか? 可能な場合、停止後の年金は、繰り下げ受給の扱いになるのでしょうか?」(スヌーピーさん)

A:自分から申請することで、年金受給を支給停止することはできますが、在職老齢年金制度で支給停止となった老齢厚生年金は繰り下げ扱いになりません

60歳以降、厚生年金に加入して働いた場合、総報酬月額相当額(おおよその月収)と老齢厚生年金の報酬比例部分の月額の合計金額が、支給停止基準額(令和7年度は51万円)を超えると、老齢厚生年金の一部もしくは全額が支給停止されます。これを在職老齢年金制度と言います。
相談者「スヌーピー」さんは、「働き始めて収入が限度額を超え、年金がカットされます」とのことですので、恐らく在職老齢年金の支給停止基準額を超え、老齢厚生年金が支給停止となるということかと思います。
在職老齢年金制度で年金がカットされる場合、年金受給をいったん停止できるのか?とのことですが、年金は自分で申請することで支給を停止できます。年金の支給停止は、老齢基礎年金、老齢厚生年金ごとに行え、いつでも撤回できます。申出日の翌月分から支給停止、また撤回する場合も、申出日の翌月分から支給停止の解除となります。
ただし、「スヌーピー」さんのように、在職老齢年金制度によって支給停止された老齢厚生年金は、自分で申請して支給停止としても、繰り下げ受給扱いにはなりませんので増額しません。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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