上海の高級レストランが象の糞を使ったデザートを提供して物議をかもす

2025年4月23日(水)17時0分 カラパイア


 中国では「4本足で食べないのは机と椅子だけ」なんて逸話もあるほど、なんでも食べるというイメージがあるが、これにはびっくり。


 上海にある高級レストラン「CANOPIA[https://www.canopia.asia/]」が、熱帯雨林をテーマにしたコース料理の中で、加工した「象の糞」を使ったデザートを提供して物議をかもしている。


 さすがに上海の市場監督管理局も黙っていなかったようで、調査の結果、現在は営業停止処分となっている。


象のうんちっちに乗せられた衝撃のデザート


 問題のレストランは、上海の馬橋地区にあり、「環境に配慮したサスティナブルな食」を提供していることで有名らしい。


 このレストランの目玉となっているのが、15種類の料理からなる3,888元(約7万6,000円)のコースだ。その締めくくりに登場するのが「象の糞」を使ったデザートだという。


 いったいどんなデザートなのか?って思うよね。そのビジュアルはこんな感じ。下の茶色っぽい土のようなものが、いわゆる象のうんちっちなのだ。



image credit: 星島網[https://std.stheadline.com/sc/realtime/article/2063583/%E5%8D%B3%E6%99%82-%E4%B8%AD%E5%9C%8B-%E4%BA%BA%E5%9D%87%E6%B6%88%E8%B2%BB%C2%A54000%E5%90%83%E8%B1%A1%E7%B3%9E%E5%95%83%E6%A8%B9%E8%91%89-%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E9%A4%90%E5%BB%B3%E4%B8%BB%E6%89%93-%E5%8E%9F%E5%A7%8B-%E9%A2%A8#goog_rewarded]


 名付けて「香りのよい象の糞に挿した花」。ジャムやハチミツ、花粉を使ったシャーベットが、サクサクのうんちっちの上に乗っているんだそうだ。


 Xに動画が投稿されていたので見てみよう。サクサク…確かに? いや、味の想像がつかないというか想像したくもないよ。


 店側によると、このうんちっちはきちんと消毒されているそうだが、さすがの中国の食品衛生法も、これを食品として認めるわけにはいかなかったらしい。


 このデザートがSNSで取り上げられて騒ぎになると、上海の市場監督管理局が調査に入った。


 その結果、竹虫(蛾の幼虫)やアリ、苔などを材料として使っていたことも判明。レストランは現在一時的に営業停止中だという。



雲南省の熱帯雨林を再現したレストラン


 CANOPIAは、中国雲南省の少数民族布朗(プーラン)族のエコンさんと、フランス人のJCことジャン・シャルル・ペノさんがオープンしたレストランで、雲南省にある景邁山の風景をレストランで再現したものなんだそうだ。


 雲南省はミャンマーやラオス、ベトナムと国境を接しており、低地は亜熱帯気候に属している。


 エコンさんの故郷・景邁山周辺は、ウーロン茶の産地として知られている場所で、現在は世界遺産にも指定され、多くの観光客が訪れている。そしてこの辺りは、中国では珍しい野生の象[https://karapaia.com/archives/52303129.html]の生息地でもある。


 エコンさんたちは、この豊かな自然をコンセプトにしたレストランをオープンしたわけなのだが、デザート以外のメニューも何と言うか独創的。


 例えばこちらのメニューは「ハチミツと花粉を氷の上で舐める一皿」。



image credit: 星島網[https://std.stheadline.com/sc/realtime/article/2063583/%E5%8D%B3%E6%99%82-%E4%B8%AD%E5%9C%8B-%E4%BA%BA%E5%9D%87%E6%B6%88%E8%B2%BB%C2%A54000%E5%90%83%E8%B1%A1%E7%B3%9E%E5%95%83%E6%A8%B9%E8%91%89-%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E9%A4%90%E5%BB%B3%E4%B8%BB%E6%89%93-%E5%8E%9F%E5%A7%8B-%E9%A2%A8#goog_rewarded]


 下の画像の右側の飲み物は、「地元の川の生態系を模した、塩辛くて生臭い飲み物」なんだとか。いったいどんな味がするんだろう。



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 お客さんは、テーブルにある植木鉢の植物の葉を自分で切り取って、そのまま調味料につけて食べるらしい。



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 JCさんによると、「熱帯雨林をイメージした店内で、我々の創造した野趣あふれる食材を使ったエコロジカルフュージョン料理を食してもらう」のが、究極の目的なんだそうた。


 貧しかった地元を出て都会で就職したエコンさんは、環境活動に熱心なJCさんと出会い、その熱意に引かれるまま、故郷の熱帯雨林をテーマとしたレストランをオープンする。


 JCさんは「熱帯雨林は汚くない、ケミカルなものが汚いんだ」と主張し、原始的な食材を積極的に取り入れたメニューを考案。


 2人は農場を作って地元の食材を育て、豚を飼い、他にはないユニークな味を模索した。その究極の結果が、「象の糞のデザート」だったということなのだろうか。



image credit: 星島網[https://std.stheadline.com/sc/realtime/article/2063583/%E5%8D%B3%E6%99%82-%E4%B8%AD%E5%9C%8B-%E4%BA%BA%E5%9D%87%E6%B6%88%E8%B2%BB%C2%A54000%E5%90%83%E8%B1%A1%E7%B3%9E%E5%95%83%E6%A8%B9%E8%91%89-%E4%B8%8A%E6%B5%B7%E9%A4%90%E5%BB%B3%E4%B8%BB%E6%89%93-%E5%8E%9F%E5%A7%8B-%E9%A2%A8#goog_rewarded]


お客さんやネット民からは賛否両論の嵐


 このレストランで実際に食事をした人たち、そして今回のデザートをSNSなどで目にした人たちからは賛否両論の意見が飛び交っている。


雲南省の人間は、誰も象の糞なんて食べたりしない
マジで気持ち悪いんだけど
象の糞は中国政府の食品原料リストに含まれていない。いくら消毒したからって、潜在的な汚染リスクはともなうと思う
実際にコースを食べたけど、なんというか、表現しにくい料理もあって、美味しいとは言い難かった。幸いメインはチキンだったので、少なくとも満腹にはなったけど
食事というより、パフォーマンスアートに参加しているみたいな感じだった
冒険心は持ち続けてほしいけどね
これは単に過剰な儀式主義の一例だよ
富裕層は何だって食べるんだよ
上海は「魔都」だからね、何でもありだ
ここは従来のレストランじゃなくて、斬新な実験的な場なんだよ。ユニークな食の体験を求めているなら、試してみる価値はあると思う
まあ、少なくともQS認証(食品の品質安全認証)は受けてないよね

 下はこのレストランのコンセプト動画である。さらっと見ただけでも、コンセプトのワイルドさが少し伝わると思う。



References: Posh China restaurant offers US$540 meals with elephant dung desserts for ‘authentic’ taste[https://www.scmp.com/news/people-culture/trending-china/article/3306400/posh-china-restaurant-offers-us540-meals-elephant-dung-desserts-authentic-taste]

カラパイア

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