「タイプじゃない男性はお断り」「若いイケメンが話しかけると女性はホテルへ…」大阪・梅田の「立ちんぼスポット」を密着してわかった“売春ビジネス”の裏側【写真あり】――2024年読まれた記事
2025年5月3日(土)12時10分 文春オンライン
2024年、文春オンラインで反響の大きかった記事を発表します。社会部門の第2位は、こちら!(初公開日 2024/12/12)。
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かつて警察が動いたにもかかわらず、ふたたび「立ちんぼスポット」としての存在感を大きくしつつある「泉の広場」。いったいどんな女性が春を売り、どんな男性がそれを買うのか…? フリーライターの花田庚彦氏の新刊『 大阪 裏の歩き方 』(彩図社)より一部抜粋してお届けする。(全2回の2回目/ 最初 から読む)

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ホテル街へと消えていく人々
まずは、ブランド品のショップ袋を持ってトイレの前に座りこんでいる、未成年と思われる女性に焦点を絞って観察を始めた。
スマホをひたすら眺め続ける彼女に、何人もの男性が声をかける。女性は男性の顔を見上げるが、一向に立ち上がろうとはしない。タイプではないのであろうか。
30分観察を続けた段階で、声をかけた男は10人以上。中年を中心としたサラリーマン風の人間が多い。
女性に動きが見えたのは、それから約10分後のことである。
若いイケメンの男性が話しかけると、数分の間会話が続く。そして女性はその男性と一緒にホテル街に続く階段を上っていった。
ただ、いかんせん離れた場所から見ていたので、カップルが待ち合わせていた可能性も、ゼロではない(限りなくゼロに近いとは思うが)。読者の皆さんにこの地のリアルをお伝えすべく、別の女性にも焦点を当てることにした。先ほどの女性より前からずっと立っている女性である。
あたりにはスカウトをしている男性も多かったが、誰も彼女に声をかけようとはしない。ただ、一定数の男性からは声をかけられている。未成年と思われる女性に振られてそのままこの女性に声をかけた男性も、複数人いた。
「売春の値段」は…
カフェにいたら会話が聞こえないので、女性が立っている柱の裏側に移動して、会話を盗み聞きすることにした。
小さい声でやりとりをしているので、はっきりとは聞こえないが、話しかけてくる男は大多数が「待ち合わせ?」「いくら」と聞いている。値段交渉をしているのであろう。
交渉は決裂し続けていたが、しばらくして現れたスーツ姿の男性のときに、様子が変わった。
けっこう大きな声なので、会話が丸聞こえである。ガッツリそのつもりのようだ。
1万円で話がまとまり、女性は男と腕を組んで、先ほどの女性同様にホテル街に続く階段を上がっていった。
一部メディアでは、厳しい取り締まりによって泉の広場の立ちんぼは壊滅したと報じていたが、実態は異なるようだ。一度根づいた慣習は、簡単には消えないらしい。
(花田 庚彦/Webオリジナル(外部転載))