ビャンビャン麺に牛肉麵も! 東京に上陸した最旬「中国麺」3選

2020年5月6日(水)12時0分 食楽web


西安三大汁なし麺、ヨウポー麺、トマト麺、ジャージャン麺の「全部盛り」1050円(泰唐記 神保町店)| 食楽web

 近年、東京では四川の汁なし担々麺や蘭州の牛肉麺など、本場・中国のローカルの麺を味わえる専門店が続々とオープンしています。ただ、なにしろ広大な中国のこと、まだまだ珍しい郷土麺が無数に存在しており、本邦初上陸のレアな麺料理を出すお店も少しずつ増えています。というわけで、いま東京で注目の最旬「中国麺」を3品ご紹介します。

西安のソウルフード! 神保町『秦唐記』の「ヨウポー麺」


「ヨウポー麺」850円

 いま最も注目されているのが、西安の三大汁なし麺の1つと言われている「ヨウポー麺」です。そのヨウポー麺を看板にするのが、今年(2020年)2月にオープンした『西安麺荘 秦唐記 神保町店』。

 西安の汁なし麺の一番の特徴は、包丁を使わず手だけで生地を麺にする「ビャンビャン麺」という製法です。「ヨウポー麺」は、そのビャンビャン麺を使い、酢、塩、醤油などの調味料のタレと、具材に刻んだ野菜や肉、唐辛子、花椒、ネギなどを合わせて、最後に上から高温の油をジャッとかけていただく料理です。


「ヨウポー麺」は、中国語で書くと「油溌面」。これは、“油が飛び散る”という意味を表し、料理の最後に油をかけることから付いた名称です

 こちらのお店『秦唐記』では、本場・西安から招聘したプロの麺職人が麺作りを担当。最も太い3〜4cmの「ベルト麺」や、1〜1.5cmの幅広麺「ビャンビャン麺」、5〜6mmの麺や2〜3mmの超細麺もなどもあり、すべて注文が入ってから麺を打ち、茹でたてを提供してくれます。


こちらは1〜1.5cmの幅広麺「ビャンビャン麺」。辛さも三段階から選べます。

「ヨウポー麺」が登場したら、麺と具材、そして丼の底のタレをよ〜くかき混ぜて食べるのがポイント。すすってみると、タレの酸味と辛味、甘み、そして花椒のしびれ。これらが絶妙な一体感を醸し出しています。また、ビャンビャン麺の厚みやうねり、そしてコシの食感。さらにキャベツやチャーシューといった具材のバランスも最高で、食べ終わるのが惜しいと思うほど。世の中には、こんなに美味しい麺料理があったんだ、と感激する一品だと思います。

●SHOP INFO

店名:泰唐記 神保町店

住:東京都千代田区神田神保町3-2-5
TEL:03-6256-9787
営:11:00〜15:00、17:00〜23:00
休:無休

これぞシルクロードの味! 本郷『ムーサ蘭州牛肉拉麺』の「干拌麺」


「干拌麺(ガンバンメェン)」1020円

 ここ数年、「蘭州牛肉麺」専門店が続々とオープンしています。2019年1月に東京文京区・本郷の東京大学のすぐそばにオープンした『ムーサ蘭州牛肉拉麺』もその一つ。


「蘭州牛肉拉麺」880円。注文が入ってから専門の麺職人が生地を手だけで伸ばして麺を作ります。牛骨スープは、牛骨や牛肉、鶏肉、スパイス30種類以上を使ってスープを作るそう。透き通っていて、臭みや雑味が一切なくて旨みがたっぷり

 ご存知のように「蘭州牛肉麺」は、中国西北部に位置する甘粛省の省都・蘭州で日常的に食べられている麺を指しますが、『ムーサ』のご主人は、その蘭州よりも西北部に位置する青海省の出身。故郷の名物麺も出しており、実は牛肉麺と並ぶ人気メニューとなっています。それが「干拌麺(ガンバンメン)」です。


青海省は蘭州のある甘粛省よりもさらに西北部に位置し、新疆ウイグル自治区の隣、チベットの麓でもあります。その郷土料理であるウイグル料理の中に「ラグマン」という麺料理があり、それがこちらの「干拌麺」です

 パッと見た感じは、あんかけ焼きそばやミートソースのようですが、よく見ると、太くて丸い中太麺の上に、サイコロ状に切った玉ネギ、セロリ、ジャガイモ、そして羊肉がゴロゴロと入ったソースがかかっています。その味は、トマトの酸味と牛骨スープの味。そして羊肉の独特のクセも大きなポイントです。初めて食べる味なのですが、なぜか懐かしさも感じる、穏やかで優しい麺料理です。

●SHOP INFO

店名:ムーサ 蘭州牛肉拉麺

住:東京都文京区本郷5-23-13
TEL:080-6710-0509
営:11:00〜23:00
休:無休

香港避風塘料理! 銀座『喜記』の「香港風焼きそば」


「香港風焼きそば(ガーリック風味)」1300円(税別)

 最後に、ご紹介するのは香港の焼きそば。正確にいうと、香港に本店がある『喜記(ヘイゲイ)銀座店』の名物「焼きそば」です。『喜記』は、香港の漁師料理「避風塘料理」専門店で、本店は、世界各国のセレブが訪れるほどの有名なお店。新鮮な魚介を使ったお料理がたくさんありますが、実は、その〆に食べる「焼きそば」が絶品だと言われているのです。

 ただ、この焼きそばには、上の写真を見てわかるように、エビやカニなどのシーフードは入っていません。味も香港のたまり醤油がベースで、至ってシンプル。

 しかし、オリジナルの特製ガーリックスパイス「極品 蟹油蒜蓉王」をふんだんに使っており、これこそが『喜記』が超人気店になった理由でもあるのです。何しろ、このスパイスが欲しいと、世界各国の人が香港の本店を訪れるくらいなのです。


『喜記』の焼きそばはネギともやしと黄ニラといった野菜が入っていて、麺は極細の乾麺。オリジナルのガーリックスパイス「極品 蟹油蒜蓉王」がたっぷりかかっています

 いただいてみると、麺は揚げたようにパリッとしていてコシがあり、独特な香港のたまり醤油の味が染み込んでいます。そして麺の合間合間に独特なガーリックスパイスが感じられ、非常に香ばしく、コクがあって、しかも上品。普通のガーリックチップなどとは全然違います。

 料理長のサイ・エイリョウさんによると、このガーリックスパイスは、蟹油(シェユ)でニンニクを揚げて作るのだそうです。蟹油とは、蟹を蒸すときにできる油のこと。だから、海鮮のダシと風味が染みていて、香ばしさもひと味違うのです。

 こんなにもシンプルなのに、料理の深さに驚かされる「焼きそば」です。ぜひお試しを。

●SHOP INFO

店名:喜記銀座店

住:東京都中央区銀座6-3-11 西銀座ビル2F
TEL:03-3289-0505
営:平日ランチ11:30〜15:00(L.O.14:30)、ディナー17:30〜23:00(L.O.22:00)
  土・日・祝ランチ11:30〜15:00(L.O.14:30)、ディナー17:30〜22:00(L.O.21:00)
休:無休

(撮影・文◎土原亜子)

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