「眠活」に食品が人気...快眠体質に近づけるレシピとは

2025年5月16日(金)6時0分 大手小町(読売新聞)

「朝の目覚めが悪い」「日中に眠気が襲う」「寝つきが悪い」など、眠りに関して何らかの悩みを抱えている人が増えています。近年は、こうした悩みの解消に役立つ「快眠グッズ」が様々出回っていますが、快眠を得るためには、グッズに頼るだけでなく、日々の食事の見直しも大切なのだとか。専門家にお勧めのレシピなどについて聞きました。

写真はイメージです

楽天グループ(東京)が今年4月、10〜60代の男女1000人を対象に実施したアンケート調査では、「睡眠を重要視していますか」との質問に対し、約79%の人が「はい」と回答しました。ところが、「最近(1年以内)の睡眠に満足していますか」と尋ねると、睡眠に不満を感じていると回答した人が53%に上っています。

ECサイト「楽天市場」では、「睡眠」というキーワードを含む商品の2024年の流通総額が、2019年と比較して約6.4倍に増加しています。とりわけ人気が上昇しているのが食品で、電気毛布の約3.4倍増、スリープウェアの約1.8倍増に対して、サプリメントが約7.2倍増、ハーブティーが約10.0倍増となっています。

同社ホームライフ事業課の淺田はるかさんは、「電化製品や衣類などは高額なものも多いので、より手軽に入手でき、日常的に摂取できる食品が伸びているのではないか」と考察します。

同社では、25年は睡眠の質を高めるとされる栄養素が含まれる食材を活用した「睡眠メシ」への関心が高まると予測。実際にECサイト「楽天ブックス」では、睡眠をテーマにしたレシピ本の売り上げが右肩上がりだといいます。

快眠を目指すための方法の一つとして、食生活の改善を促すのは、睡眠コンサルタントで産業心理カウンセラーの友野なおさんです。

友野さんは、食品に含まれている快眠にお勧めの成分として、(1)牛乳や卵、豆腐などに含まれ、脳の興奮を鎮静化する作用があるとされるアミノ酸「トリプトファン」(2)ショウガなどに含まれ、血行促進作用があるとされる辛味成分「ジンゲロール」(3)トマトやみそなどに含まれ、深い眠りに誘うとされるアミノ酸「GABA」——の三つを挙げています。

食べる時間を意識することも大切といい、友野さんは、「寝る時間が遅くなってしまっても、起床時間は一定に。起床したら1時間以内に朝ごはんを食べて、昼食は13時までに、夜ごはんは寝る時間の3時間前までに食べ終わるようにします。この時間軸を維持できるようになれば、快眠体質に近づけるはずです」と説明します。

友野さんは、睡眠専門医の白濱龍太郎さんが昨年6月に著したレシピ本「朝までぐっすり眠れる深睡眠スープ」(アスコム)で紹介されている「ぐっすりスープの(もと)」を勧めます。GABAが豊富なトマトとみそを使用しており、スープにするのはもちろん、おにぎりの表面に塗って食べるなど、様々なアレンジが可能です。たくさん作って冷凍保存しておけば、いつでも手軽に料理に使うことができます。

【ぐっすりスープの素】

ぐっすりスープの素(白濱龍太郎著「朝までぐっすり眠れる深睡眠スープ」=アスコム刊より)

<材料 10個分>◇蒸し大豆…100g◇カットトマト…2分の1缶(200g)◇みそ… 90g◇粉チーズ…大さじ1◇酢…大さじ1

<作り方>(1)カットトマトを耐熱容器に入れてふんわりとラップをかけ、電子レンジ600Wで2分間加熱する。(2)蒸し大豆をつぶす。(3)(1)と(2)、みそ、粉チーズ、酢、を混ぜ合わせる。(4)10等分(1個あたり39〜40g)にして、製氷皿や冷凍用保存袋に入れて凍らせる。

【みそトマトおにぎり】

みそトマトおにぎり(©田村つぼみ)

「GABAはトマトやみそのほか、雑穀ごはんにも多く含まれており、おにぎりにすればGABAを手軽に取り入れられます」(友野さん)

<材料 2人分>◇ぐっすりスープの素…1個◇のり…おにぎり用2枚◇雑穀ごはん…200g

<作り方>(1)ぐっすりスープの素を電子レンジで解凍する(自然解凍も可)。(2)雑穀ごはんでおにぎりをつくり、(1)を表面に塗る。(3)オーブントースターやグリルで焼き色が付くまで焼き、のりを巻く。

【ジンジャー豆乳スープ】

ジンジャー豆乳スープ(©田村つぼみ)

「豆乳でトリプトファンを、おろしショウガでジンゲロールを摂取できます。血の巡りが良くなって体が温まり、快適な眠りを促してくれます」(友野さん)

<材料 2人分>ぐっすりスープの素…2個キャベツ…70gおろしショウガ…小さじ2分の1調整豆乳…2分の1カップ水…2分の1カップ

<作り方>(1)キャベツを食べたい大きさにちぎって耐熱容器に入れ、おろしショウガ、水、ぐっすりスープの素を加える。(2)ふんわりとラップをかけて、電子レンジ600Wで4分間加熱する。(3)豆乳を加えて混ぜ合わせる。

友野さんは「『睡眠メシ』は、食べたらすぐに熟睡できるというわけではありませんが、継続的に取り入れることで、快眠体質に近づけます。必要な栄養素は、毎日の食事でおいしく取り入れ、サプリメントを併用すると、より良い効果が期待できるでしょう」とアドバイスしています。

(読売新聞メディア局 長縄由実)

プロフィル友野なお(ともの・なお)睡眠コンサルタント、産業心理カウンセラー。睡眠を見直すことで体質改善に成功した経験から、睡眠を専門的に研究。睡眠の専門家として、講演会、グッズ開発、執筆活動などを行なう。

大手小町(読売新聞)

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